仕組まれた偶然


ラジオ深夜便によるときょう11月9日の誕生日の花はコウヤボウキだ。1週間前に東山植物園の散策路の脇で見かけた低木だ。カールした白いリボンを束ねた様な花だった。高野山でこの木の枝を束ねて竹ぼうきの代用としていたことからのネーミングとの説明だった。


この花木に植物園で初めて出会い、興味を抱いて写真を撮ったのが11月2日。3日には中日新聞の豊田版里山だよりにコウヤボウキが登場していた。9日にはラジオ深夜便のきょうの誕生日の花に登場だ。興味を持った花木がこうして矢継ぎ早にメディアに登場して来ると何だか嬉しくなるものだ。花枯れのこの時期に咲く花だから当然といえば、それまでだが、それを云っちゃぁ、おしめぇだよ。



この日曜日にこんなこともあった。昼のニュースだった。米トランプ大統領が日本に来た。軍事顧問が1名随伴して、核兵器発射の許可を出せる道具の入ったフットボールと称する20kgもあるブリーフケースを携行しているシーンを映していた。


夜、BSの映画「ホワイトハウスダウン」を見た。議会警察官が娘とホワイトハウスの見学ツアーに参加した時、そこへ謎の武装グループが乗り込み、ホワイトハウスを制圧し、大統領と警察官の娘らを人質にして籠城。例のフットボールを巡っての攻防が繰り広げられる。



米大統領が外遊の際には、そういうカバンを持って行くことは知っていたが、昼のニュースでその実物をみて一層興味を抱いた。夜見た映画でそのフットボールを巡るアクションではないか。何か、出来過ぎた話みたいだ。大物スターや監督が他界した時、追悼番組として出演映画を放映するのと同じで、米大統領訪日記念上映だといえば、身も蓋もない話だが・・・。


映画でいうと、こういうこともあった。5年前トルコへのツアーに参加した。関空からエミレーツ航空で中東ドバイ乗り継ぎだった。乗り継ぎ時間の間に半日の市内観光があった。機内のエンターテイメントが充実しているエミレーツ航空だ。封切り後1年経過したか、しないうちのトムクルーズ主演ミッションインポッシブル、ゴーストプロトコルが入っていた。当然、それを見た。



この映画、ドバイを象徴する当時としては世界一高いブルジュ・ハリファをよじ登るシーンは、スタントマンなしのトム・クルーズ自らが行ったことで話題になっていた。市内観光では、つい数時間前に映画で見たその世界一高いビルの近くまで行った。ただ単に行くのと、つい先ほど機内で見た映画のあのシーンのビルに行くのでは、インパクトが全然違う。これは、偶然ではなく、仕組まれた演出だろう。


大いに興味を抱いたり、大いにインパクトを与えられたコウヤボウキやフットボールブルジュ・ハリファ。偶然にそうなったようでもあるが、実のところは、単細胞のクマさんがビジネス界の掌の上でころがされているにすぎないのだ。そこまで、醒めて物事をみると人生この先あまりおもしろくなくなりそう。やめとこ。