貴乃花親方と徳川慶喜


目覚めて窓を開ける。青い空、日差しも大気もさらりとした感触だ。どこからともなくキンモクセイの香りが漂ってくる。まさに、爽やかな秋の日を感じたきのうから一転、朝から雨降り。台風24号があすの夜にはこの地に最接近のようだ。午前中の雨の止み間を縫って、来週に控えた神社の祭礼に際し、周囲の清掃のボランティアに参加。


今週も硬軟交えて色々なニュースがあった。国際問題でいえば、24日の月曜日に米国は2千億ドル相当の中国製品に対する新たな関税を発動し、中国も6百億ドル相当の米国製品を対象に報復関税を発動した。止まることを知らない米中経済戦争の感だ。



27日の木曜日,安倍総理の国連総会出席を兼ねて行われた日米首脳会談、自動車の関税引き上げを阻止するために農業分野が犠牲になりそうな気配だが、果たしてどうなることやら。米国での記者会見で安倍総理は来月2日に内閣改造と党の役員人事を行うと発表。麻生さん菅さんは留任の気配。副総理兼財務大臣の麻生さんが、財務省であれだけの不祥事がありながら留任なんて、ちょっと納得できない。


ワイドショー向きの話題は、何といつても25日火曜日の貴乃花親方の引退、退職騒ぎだ。その経歴からし横綱として実績もトップアスリートとして申し分ない。親方として弟子を育成する術も非凡なものがある。しかし、相撲社会の一員として生きて行くには孤高のエリートゆえと云えようか処世の術がヘタなんだろう。




NHK大河ドラマ西郷どん」、前回では「鳥羽伏見の戦い」で形勢不利となった最後の将軍徳川慶喜が密かに大阪城から江戸に逃げるところを描き、あすの回では慶喜を追った西郷が勝海舟との間で江戸城無血開城となる。将軍慶喜はどちらかといえば、ヒール役(悪役)的に描かれている。


今週木曜のNHKBSの「英雄たちの選択」は「西郷・大久保”革命”への賭け」だった。「西郷どん」はあくまでドラマだ。史実に近い評価はこの番組だ。そのなかで、歴史学者磯田道央氏は徳川慶喜は非常に頭がよく、能力が高いと評価している。江戸城無血開城も100万都市江戸が戦場になることを避けるためだった。と。彼の欠点は、側近らに根回しや相談をしないまま決めてしまうことだった。


こうしてみると、貴乃花親方と徳川慶喜に重なるところが見える。意見を異にする勢力には、その決断ぶりは不気味に映ったことだろう。「何を考えておるかわからん」からなぁ。