矢並湿地のシラタマホシクサ


朝から今にも降り出しそうな雲行き。それにムシムシすることこの上なし。豊田の市街地から東へ4kmほど。鞍ヶ池公園の駐車場でシャトルバスに乗り換えて矢並湿地を訪れた。年に数えるほどしかない一般公開日。きのう4日から8日までだ。きょうを逃したら台風でおそらく中止になる。行くなら今でしょ。となった。



この矢並湿地ラムサール条約にも登録されている豊田市の「東海丘陵湧水(ゆうすい)湿地群のひとつ。広さはおよそ5ヘクタール。湿地内やその周辺には約300種の植物と約500種の昆虫が確認されているという。ミカワシオガマシラタマホシクサの美しい群生が見頃だ。一昨年、昨年に続き3度目の見学だ。毎年同時期の公開だが、今年はシラタマホシクサの成長が遅い。こんなところにも異常気象の影響が出ているだろう。




5〜10人ごとにガイドが随行し、見学コースは木道が整備されている。一昨年と比べ、シラタマホシクサミカワシオガマも群生の規模が広がっている。湿地出入り口のテントには、初めてみるハッチョウトンボの標本やまだ生きているマムシがビンの中で展示されている。こんなところにも興味が惹かれる。


シラタマホシクサは伊勢湾沿岸の湿地にだけ自生する。花茎の先端に直径1 cm程度の小さな花を付け、白い玉のような、星の形をしているところが名前の由来。一面に群生していると白いホタルが乱舞しているように見える。背丈は20-40 cm程度まで伸びる。ミカワシオガマは草丈30〜60cmで夏から秋口にかけて咲く。岐阜県、東海地方の一部の湿地にだけ自生する。



東海地方の湿地の特徴は栄養の乏しい狭い面積であることらしい。そこで、地元の湿地保存会では湿地の栄養状態がよくなることを防ぐために草刈などを定期的に行っているという。そうした尽力があったから、シラタマホシクサの群生など、一昨年の今頃と比べたら面積が随分広がって見ごたえがある。地元のみなさんに感謝!