日本式教育


先週からすっきりしない曇り空の日が続く。この2.3日は最低気温が10数度前後、朝晩はそぞろ寒さのなか、深まり行く秋を感じる。朝の目覚めも自然と遅くなり、ラジオ深夜便の「きょうの誕生日の花」を聞き漏らす日が多くなった。


エジプトの一部の小学校で、学級会や日直、掃除などの「日本式」を取りいれた教育が始まったと、先日の産経デジタル版に載っていた。国際協力機構(JICA)の支援事業だそうだ。掃除なら「公共」の意識や仲間との協力、日直なら責任感が、子供たちの中できっと芽吹くことだろう。



何年か前、市の生涯学習講座でこんな話を聞いたことがある。講師は青森県六ヶ所村にある核燃料再処理施設工場に技術者として、フランスからはるばる来ている方とその家族が住んでいる「フランス人住居地域」のことを「フランス村」と呼んで、その村の小学校でフランスの子ども達に日本式教育をしていた女性だ。


彼女は子供たちに毎日掃除当番に教室の掃除をさせた。母親たちから子供に掃除をさせるとは何事かと猛反発をくらったという。説得の積み重ねで、彼女が転勤するするときには、子供たちに仲間との協力や自立心ができたと母親たちから大変感謝されたという。日本で当たり前でやっていることを、やらせただけで、こんなに感謝されるとは意外だったと述懐していた。



第4次安倍改造内閣で、文科相に就任したばかりの柴山昌彦氏が、戦前の軍国主義教育に影響した教育勅語の一部を評価する発言をして、批判を浴びている。その極右思想が露見したと騒ぎ立てるメディアまである始末だ。新米大臣がボロを出したら、首を取る。敵失で得点。何と、ミミッチイ近頃のメディアだ。


日本の警察の「交番」制度のよさが世界で取りいれられているように、日本式の教育のよさも同じ道を辿ろうとしている。メディアも大臣の首をとったり、内閣を倒すことに血眼になることも必要だろうが、当たり前すぎて普段クローズアップされない日本式教育のようなことも、世間一般に知らしめることも必要でないかと思う。