卒婚あれこれ


先週の寒波に引き替え、今週は比較的穏やかな冬の日が続く。久しぶりの快適なグラウンドゴルフ日和だった。
    

大相撲の元貴乃花親方が廃業し離婚したことが話題になった。離婚を報告した際のせりふに「おやっ?」と思ったのは自分だけではなかったと思う。「結婚を卒業」との思いで、二人で決めたというのだが、これが「卒婚」と報じられた。元親方は円満に婚姻関係を解消したと報告したつもりが、メディアでは似て非なる、はやり言葉の「卒婚」が独り歩きしたのではないかと思う。


昨年4月11日のクマさんの日記「卒婚」にひとことでこんなことをカキコした。要旨だけを以下抜粋



めでたく結婚にゴールはいいが、いま結婚を卒業する。つまり、シニア世代の夫婦が別々に暮らすなどして、自由に新しい生活を始めることを「卒婚」と称するそうだが、これが新しいライフスタイルとして芽生え始めているらしい。このことを昨年の秋ごろ日経デジタル版で読んで知っていたが、実践している人が自分のまわりに二人もいることを先日知ってビックリポン。



麻雀の常連メンバーが10数人いる。その中のふたりだった。ふたりとも70歳前。プレー中や飲んだ時の会話から察するに、その動機はそれぞれ違うだろうが、大筋のところ「食べさせてもらって当然、身辺の世話をしてもらって当然という夫婦の依存関係をリセットし互いに自由に過ごしたい」。このあたりだと思える。



記事ではコンサルタントがアドバイスをしていた。卒婚を言い出すのはほとんどが妻から。夫にとっても趣味に没頭するいい機会になる可能性もあるので、落ち着いて前向きに話し合うことが大切。卒婚は離婚の前段階ではなく、あくまで二人の新しい関係を築くためのものであること


先週の中日新聞夕刊「社会時評」欄に女性の社会学者が女性論について寄稿していた。冒頭に元親方の「結婚を卒業」発言を引き合いに出して、あれは「円満離婚」と断じていた。団塊世代の女性は結婚が「永久就職」だった。この世代の女性にとって、卒婚とは男性の「脱サラ」に近い感覚かもしれない。と分析していた。


いづれににせよ、元親方の離婚報告の際の「おやっ?」が、「社会時評」の寄稿文によって「喉に刺さった小骨」が取れた思いだった。

※ 画像は古代アンデス文明展より