恵方巻きあれこれ


西高東低の気圧配置の冬の天気が相変わらず続く。やれやれ、今週もやっと金曜日がやってきた。あすから2日間三大苦役から解放されると思うと、まさに花の金曜日だ。三大苦役というのは平日の日課となっているテレビ体操、ウォーキング、クマさんの日記のカキコのことだ。


スーパーの折り込みチラシにも、コンビニの店舗の周囲にはためく幟(のぼり)にも「恵方巻き」の字が躍るきょうこの頃だが、この「恵方巻き」の風習は20年前に大阪に赴任した時はじめて知った。近年みるみる普及した恵方巻きは、いまじゃ全国区の節分イベントになった感がある。平成日本の巨大ヒットさえ言われているのもわかる気がする。



とはいえ、昨近アルバイト店員が販売ノルマを課せられたとか、達成できずに自腹で買い取らされたとか、後味の悪い話も聞く。あげくの果ては売れ残り商品の大量廃棄だ。先週農水省は「貴重な食料資源の有効活用」のため、需要にあった販売をするように業界団体に文書で呼びかけたことが報道されていた。


昨年の今頃は、チョコレートの世界的トップメーカーゴディバが「義理チョコをやめよう」と日経新聞に一面広告を出して話題を呼んだ。また、姫路のヤマダストアーが「今年は恵方巻きを昨年実績で作ります。欠品の場合はご容赦ください」とのチラシにこのような断り書きとともに「もうやめにしよう。成長しなきゃ企業じゃない。けど、何か最近違和感を感じます」と過熱ぶりに警鐘を鳴らしていた。



昨年はバレンタインチョコにしても恵方巻きにしても、業界側から過熱ぶりに警鐘を鳴らすような動きが見られた。今年は世情が反映しているのだろうか、正論がなかなか表に出てこない環境にあるのではないだろうか。米国に端を発した「自分ファーストの風潮」「米中関係」「日韓関係」「英国EU離脱問題」、どれをとってもぎくしゃくした問題だらけだ。