彼岸花


彼岸入りしたといっても昼間はまだまだ暑い。日中は夏、朝晩は秋といった気候だ。グラウンドゴルフの後にはシャワーを浴びなければやっていられない。とはいえ、自然は正直で彼岸に入れば彼岸花はちゃんと咲き出している。ウチから車で10分とかからない豊田・逢妻川の堤防一帯の彼岸花。はずれの方のごく一部で咲き始めた。


「彼岸」といっても、墓参りをする仏事の「お彼岸」と「暑さ寒さも彼岸まで」とか秋分春分で昼夜の長さが同じになるといった「暦」の上での「彼岸」とどうも結びつかない。難しいことはよそう。「彼岸」になると咲く「彼岸花」、この結びつきは単純明快だ。



ネットで調べてみると、この彼岸花っていう花は毀誉褒貶の激しい花だ。有毒であるからなのか、昔はシビトバナ、ユウレイバナ、キツネノシリヌグイなど不吉な別名が多い。それとも、毒々しい赤い花は当時の日本人の趣味ではなかったのか?                                                        


しかし、最近では美意識の変化のせいか素直に彼岸花の美しさを認め、いち早く季節を伝える花として、マスコミ等をにぎわす花となっており、趣味・園芸の対象として広く普及している。半田市の矢勝川の堤防の彼岸花は立派な観光資源となっている。登場する呼び名は「曼珠沙華」と「彼岸花」だけのようだ。曼珠沙華マンジュシャゲ)はサンスクリット語で「赤い花・天上の花」の意味で、おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ている。


昔シビトバナ、ユウレイバナ、今天上の花。同じ花でも時代が変われば、その評価は天と地ほどの差がある。不思議な花だ。