ハハコグサ


朝から曇り空。日中吹く風も生ぬるい、いかにも雨を呼ぶかのような風だ。案の定、昼過ぎには降り出した。朝は5時前に明るくなり、夕方は7時近くまで明るいこの時季になれば、植物の盛衰も著しい。ハナミズキやフジに時代は終わった。田んぼのあぜ道では、ハハコグサマツバウンランがにぎやかだ。



このハハコグサ春の七草の御形(ごぎょう)のことだが、暦の上では立夏が過ぎた今頃目立つようになったということは、桜の開花も遅かった寒い冬のせいだっただろうか?先日、ヨモギの草餅をつくって食べたカキコをしたが、古くはこのハハコグサで草餅をつくっていたそうだ。しかし、「母と子を臼と杵でつくのは縁起が良くない」として、平安時代ごろから蓬に代わったともされているらしい。


あさって12日が母の日だから思い出すわけでもないが、このハハコグサに出会うたびに思い出されるのが、三益愛子主演の母物映画だ。お涙頂戴映画で「三倍泣かせます」がキャッチフレーズだった記憶だ。母千草、母千鳥、母月夜などがあった。これらの映画を実際には見た記憶はない。子供の頃の遊び場に大きな映画の看板があったので、「門前の小僧」が習わぬ経を覚えたのと同じ経緯だ。