野の花のネーミング


連日の猛暑日。テレビでは連日「熱中症」に対する注意を呼び掛けている。夏の暑さは半世紀以上前も今も大差ないと思うが、熱中症で救急搬送される人が増え続けている。半世紀前より老人の数が増えたことが大きな要因だとは思うが、人間がか弱くなったことと、自分のことは自分で守る意識が希薄になってきているのではないだろうか?


ウチの庭のフェンスにも、荒れ地や路傍にもヘクソカズラを随分と見かけるようになった。つる状でどんどんのびている。それにしても、こんな可憐な花に随分とヒドイ名前を付けたものだ。枝や葉をもむと悪臭があるからだろう。この匂いのため、馬も食べなければ虫ですら食べないらしい。そこで、「馬食わず」と別名もある。「サオトメバナ」との別名があるそうだが、これを本名に格上げしてやってもよさそうなもんだが・・・・。



先日ワルナスビのことをネットで調べていたら、その名の命名者は「日本植物学の父」と云われる牧野富太郎博士と出ていた。このヘクソカズラも彼の命名でないかと調べたが、わからなかった。彼は2500種くらい命名しているそうだ。


その植物の性質を短い言葉で巧く言い表しているものの代表例がワルナスビ、少々破廉恥な命名の代表がオオイヌノフグリママコノシリヌグイ。発見場所をつけただけの代表例がハキダメギク。これは、生涯学習講座「ふるさとの自然」の講師、愛教大芹沢先生から聞いた話。



(2011年9月18日のクマさんの日記からの引用)昨日の朝、家庭菜園東の林へ栗拾いに行った際、林に入る土手一面に可愛らしいピンクの花が咲き乱れていた。近づいて見るとママコノシリヌグイだった。野の花のネーミングでこれほど凄まじい名を持つ花も珍しい。


茎にびっしりと下向きのトゲを持ち(写真では白く写っている)、継母が継子の尻をこれで拭いて継子いじめをする例えに付けられた名である。 昔はトイレットペーパーの代わりに木の葉やフキの葉が使われたが、こんなトゲの多い植物で拭かれると言う継子いじめの例えに使われるとは可哀そうな花である。しかし手折ろうとすれば、鋭いトゲの逆襲が待ち構えている。手折ることはやめて写真で撮った。


人様の氏素性を調べて行くとプライバシーの壁にぶち当たるが、その点植物は問題ない。だからといってあんまりヒドイ名前をつけていたりしたら、何万年も先に人類が植物にしっぺ返しを食らうかもしれない。そこは、ほどほどに・・・だ。