環状交差点


テレビのニュースのトップは台風と大雨ばかり。それにひきかえこの地ではなかなか雨が降らない。日本ってそんなに広い国土だったのか?それでも、昨夜降ったらしくウォーキングをする道端に水たまりもできている。路傍の名も知らない花が、”水を得た魚”のごとく生き生きとして、水滴が朝日にきらきらと光っている。


きょう7日は二十四節気立秋だ。よく云われるように「暦の上では秋」だ。裏を返せば「実感ではまだ夏」だ。これだけのことだけだったら貧困な日本人の季節感と云わざるを得まい。先人の鋭敏な季節感はこんなものではなかった。               

作者は誰だったか忘れたが、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」。この歌のように、日中は夏のように暑い。しかしその暑さの奥にかすかな秋の兆しを探り出している。この鋭敏な季節感こそ日本人の感性だろう。



ウチから1kmほど南に現在のところ120戸ほどの規模の「あざぶの丘」住宅がある。電柱の地中化やプラグインハイブリッド車対応の設備などトヨタの系列会社の開発団地らしく近代的設備が整っている。その団地への外部からの入り口の3、4カ所が左の写真のようなロータリー式になっている。


欧州をバスで旅行した時、ロータリー式の交差点にたびたび出くわした。ガイドさんの説明では、馬車で通行していた当時、馬車は直角に曲がれないから必然的にロータリーになったとのことだった。「あざぶの丘」住宅では欧州的雰囲気を出すために入り口をロータリー式にしたのではないだろうか。



数日前の朝日新聞デジタル版によると、日本の道路でもこうしたロータリー(まわる交差点)が今後広がるかもしれないようだ。9月施行の改正道交法で新たに「環状交差点」(ラウンドアバウト)と名付け、標識と通行ルールを定めたそうだ。飯田市では社会実験後昨年2月から本格導入に踏み切り、全国各地でも注目され始めているそうだ。環状交差点は欧米でも事故減少や渋滞緩和に成果を上げており国が積極的に後押しをしているようだ。


環状交差点の長所、短所を整理してみると大体以下のようだ。

● 長所
  1. 出会い頭の事故が起きにくい構造。環状道ではスピードが出せないので重大事故が減少。
  2. 信号機がないため停電に強く維持管理費が不要。
  3. 信号待ちの時間がなくなる。

● 短所
  1. 環状道をつくるのに土地が新たに必要。
  2. 交通量の多い交差点では逆に渋滞を生む。
  3. なじみが薄く、通行ルールを知らない者が多い。

雰囲気つくりの”お飾り”ロータリーが果たしてラウンドアバウトとして道路交通の革命を起こせるかお手並み拝見だ。