産学共に層の厚い名古屋


きのうは豊田・緑化センターでの今年最後の「季節の花めぐり」。園内の木々は葉を落としつくして荒涼とした風景だ。20日ほど前に訪れた際にはメタセコイア並木の黄葉があんなにも美しかったのにメタセコイアプラタナスもきょうは写真にあるような様子だ。花が少なく彩の乏しいこの季節の中で、趣きを醸し出し目を楽しませてくれるのが木の実たちだ。


正直云ってあまり興味のない木の実はどれもこれも、センリョウもマンリョウピラカンサも皆同じに見える。皆、「梅仁丹」(といっても、戦前・戦中生まれの人でないとわからないかもしれないが)にみえる。実の美しさより、先生の話にあるその生態の方に興味がある。木の実は種の維持のために果実を鳥に食べてもらって散布する使命を負っている。どうやって種を維持するかは木それぞれの考え方があるようだ。


                 

クロガネモチやピラカンサなど美味しそうな外見に反して大変不味い。これは”大食い防止”のためだ。一度に多量に食べられ一カ所に排泄されると、散布範囲が限定されるだけでなく個体の生育にも不利になるからだ。食べてもらわなければいけないが、少しづつということだ。ピラカンサは食べてもらうために他の木の実が終わる頃に実をつける。需給のバランスを考えているのだ。へぇ〜、がってん。



マスコミはノーベル賞フィーバーの様相だ。5、6年前の益川、小林両教授以来、またも地元名大出身者の受賞だ。先日の日経電子版に名古屋大学浜口総長の談話が載っていた。「名大は歴史が浅いこともあって、他の旧帝大に比べると、教授陣における他大学の出身者比率が非常に高い。それが成果に結びついている。」と。


大学とか企業とかを問わず、外国人を含めた多様な人材の相互の刺激が技術革新の生産性を上げる近道だという見本だろう。JR東海が開発の指揮をとり100社に近い企業が協力してリニアの技術開発を支えたと云う。世界に先駆けて今月発売を開始するトヨタ燃料電池車「ミライ」も然りだろう。今名古屋は産学の層の厚みの象徴ではないだろうか。