TGV脱線転落事故


きのうからの雨がきょうも一日降り続いた。この雨が秋と冬を分ける「さざんか梅雨」ともいうものだろう。こんなことから季節の移ろいを感じていたら、決して雨も苦痛なものでもない気がする。


朝のウォーキングの時間だけは雨もあがり、日課をこなすことができた。天の配剤とも云えよう。おまけに、霧に煙る四つ池の風景の演出までしてくれた。ウチのモミジは、最低気温が8度以下になることも少なく、紅葉が物足りない。「さざんか梅雨」の時期らしい紅葉の進み具合だ。ナンテンの実は雨に洗われて色鮮やかになった。雨粒がくっついてキラリと光っている。



フランスが誇る高速列車TGVは、日本の新幹線の成功に刺激を受けて、いまから34年前1981年に開業した。以来スピードでも海外への売り込みでも、安全面でも日本の新幹線としのぎを削ってきた。去年の欧州鉄道旅行の際には、パリからイタリアのミラノまでTGVに乗った。


そのTGVが先週のパリテロ事件の翌日、ドイツ国境に近いフランス東部ストラスブール近郊で、信じられないような大事故を起こしたのだ。時速350km近くで走行中、脱線して運河に転落した。10人を超える死者を出している。来年春に営業開始を控えた新路線での試験走行中の事故だ。速度超過が原因との見方もあるようだが、運転士がそんな単純ミスを起こすだろうか?



だからと云って、前日のテロと関連づけるような報道もない。日本の新幹線のように、すべての区間専用線で走るシステムではない欧州の高速鉄道。詳しい技術的なことはわからないが、そのあたりに事故の原因があるのではないだろうか。1年前に乗車した時の感触から、ふとそんなことがひらめいた。


兎にも角にも、フランスの抱える難題がまたひとつふえたということだ。