矢並湿地を訪ねて


午前中は雲が主役。午後からは穏やかな秋の日差しが戻った。そんな午後のいっときを豊田の市街地から東へ4kmほど、鞍ヶ池公園の先にある矢並湿地で湿地固有の希少植物を楽しみながらの散策で過ごした。同行者は麻雀仲間のご近所さんふたり。


ここ矢並湿地ラムサール条約にも登録されている豊田市の「東海丘陵湧水(ゆうすい)湿地群のひとつ。広さおよそ5ヘクタール。普段は立ち入りが制限され、きのう12日から16日まで一般公開されている。4.5名ごとにガイドが随行して説明してくれるのがうれしい。


湿地内とその周辺には湿地植物などおよそ300種の植物とハッチョウトンボなどおよそ500種の昆虫が発見されているという。この湿地の特徴は、地表に湧き出た水でできた湧水湿地で、栄養に乏しく、小規模であることらしい。


一般公開のこの期間中はシラタマホシクサミカワシオガマが見頃となっている。シラタマホシクサは愛知、三重、静岡県の、伊勢湾沿岸の湿地のみに自生する。夏から秋口にかけて咲く。白い玉のような、星の形をした花が名前の由来。


ミカワシオガマは夏から秋口にかけて咲く。岐阜県 東海地方の一部の湿地に自生する。


緑化センターの「季節の花めぐり」もいいが、自生のものがほとんどなし。ここ矢並湿地は全部自生のもの。自然観察はあるがままの姿を観察できてこそそのよさがわかる。