彼岸花


「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、きょう9月23日は二十四節気秋分、お彼岸の中日で穏やかな日和に恵まれた。短くなってゆく昼の時間と長くなってゆく夜の時間が12時間づつになる日だ。きのう、予想した通りきょうの誕生日の花は彼岸花ラジオ深夜便は伝える。


その彼岸花が約150万本が深紅のじゅうたんを敷き詰めたように堤防を彩っている豊田市宮上町の逢妻女川の約450mの堤防両岸。場所は家から車で約5分。地元の方のボランティアで始めた彼岸花育成会。去年20周を迎えたそうだ。天気にも恵まれた休日の昼下がり、堤防は老若男女で賑やかだった。



ネットで調べてみると、このヒガンバナっていう花は毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい花だ。有毒であるからなのか、昔はシビトバナ、ユウレイバナ、キツネノシリヌグイなど不吉な別名が多い。一節には、その毒を嫌ってモグラやネズミが田の畦道や墓の死体に近づかないために植えられたとか。 
                                                       

しかし、最近では美意識の変化のせいか素直にヒガンバナの美しさを認め、いち早く季節を伝える花として、マスコミ等をにぎわす花となっており、趣味・園芸の対象として広く普及している。登場する呼び名は「曼珠沙華」と「彼岸花」だけのようだ。曼珠沙華マンジュシャゲ)はサンスクリット語で「赤い花・天上の花」の意味で、おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典から来ているそうだ。



きのうの日記で「話のさわり」とか「袖振り合うも多生の縁」の例のように、それらの言葉が時代の流れとともに本来の意味と違う使われ方が定着することがあるなどとカキコした。花の評価も例外でないようだ。


昔シビトバナ、ユウレイバナ、今天上の花。同じ花でも時代が変われば、その評価は天と地ほどの差がある。不思議な花だ。ヒガンバナ花言葉のひとつに「転生」(生あるものが死後に生まれ変わること)があるのもうなづける。


※26日(火)まで日記はお休み。