オリーブの唄


先週末からきのうまで秋晴れが続いた。日曜は美濃加茂のホテルで高校の同窓会。多治見の仲間のブログでは、何日も前から同窓会関係のカキコが飛び交っていた。修学旅行で小豆島に行ったときのガイドさんの歌った「オリーブの唄」がよかった。ただ、彼女の手袋が破れていたのはいただけなかったなどと。


幹事が気を利かせて、今年の同窓会プログラムの中に校歌とともにその「オリーブの唄」の歌詞を入れてくれた。出席者約100人、みんなで歌った。修学旅行のとき、この歌を聞いた記憶はまったくない。なにせ、この年、昭和33年のプロ野球日本シリーズは巨人対西鉄西鉄は3連敗した後劇的な4連勝をして日本一になった年だ。


修学旅行で小豆島に行った日は、日本シリーズ西鉄1勝3敗後の第5戦目。もう後がない。連投の稲尾自身のサヨナラ本塁打西鉄の勝った日なのだ。寒霞渓で先生の携帯ラジオに野球好きが群がって聞いたいたのだ。そんな記憶しかない。そして、多治見のブログには、野球の記憶ばかりで歌の記憶がない。同窓会の翌日に小豆島に行くから、歌の勉強をしてくるよとカキコした。



月曜、火曜は秋晴れ。老人会の小豆島旅行。昭和の歌である「オリーブの唄」を豊田の観光バスのガイドさんが果たして知っているだろうかと不安に思いながら、いきさつを語って聞いたところ知っているのではないか。しかも、二葉あき子の歌とカラオケ付のCDもあるからみんなで歌いましょうということになった。


姫路から小豆島の福田港まではフェリーで1時間40分。港からホテルに向かう途中で立ち寄ったオリーブの丘。小豆島にはじめて導入されたオリーブの木の二世が現存している。樹齢100年。この丘にある売店からスピーカーを通じて流れているのが「オリーブの唄」だった。CDも売っていた。せっかくだから買った。



ホテルでの宴席、御膳がずらっと並んでいる。各御膳の上に大きな紙の敷き物が乗っかっている。何が書いてあるかと思って見ると、「オリーブの唄」の歌詞が書いてある。こうしてみると、「オリーブの唄」も地元ではけっこうメジャーな存在だ。


翌日ガイドさんが全員に「オリーブの唄」の歌詞と楽譜の載ったプリントを用意してくれた。何回も繰り返し歌った。帰りの高速道路はテレビ放映版「二十四の瞳」(松下奈緒主演)を車内ビデオで見た。小豆島三昧の二日間だった。 


60年前の修学旅行でガイドさんが歌ってくれたひとつの歌が縁で、ただバスに乗って温泉入って、酒を飲んで騒ぐだけの旅行に大きな付加価値がついた。単なる昭和の歌謡曲が、60年以上経って地元ではどんな存在になっているか、確かめてみようと目的のある旅行になったことだ。そして、「オリーブの唄」が同窓会のメンバーだけでなく、わが地元のメンバーとも共有できたことだ。