蜘蛛はエライやっちゃ


予報では午後から雨で午前中は大丈夫なはずが、9時前には降り出して、グラウンドゴルフはウォーミングアップ程度で中止となりがっかり。肌寒い一日となった。きょう11月14日の誕生日の花はダルマギクとラジオ深夜便。このキクは
海岸に生える野生のキクらしい。花の形は整っていて、薄青紫色がきれいらしい。


まだ見たことのない、ダルマギクに代わってみよしの文化センターで開いていた菊の品評会の出品作品でお茶を濁すとしよう。


先月あたりから、毎朝門の郵便受けに新聞を取りに行く度に蜘蛛の巣が張っている。ここだけではない。家のまわりのあちこちで目につく。ネットで調べたらどうも女郎蜘蛛のようだ。ついでにこんなことが書いてあった。11月頃木の幹、家の壁、葉の裏に卵を産み付けて親蜘蛛は冬には死んでゆく。                       


胴体だけで5cm以上あるこの女郎蜘蛛も餌食となった昆虫の残骸を周りにいっぱい残してこれから産卵するのか、それとも死に場所探しに行くのか? そんなことを考えると、ゴキブリや蛇・トカゲと並んで不快感を抱く動物のひとつでもあるこの昆虫にも哀れみを催さずにはいられない。その生態も調べてみたら大変興味深いものだった。 


意外や、意外。女郎蜘蛛は鼻つまみ者どころか、益虫らしい。ハエや蚊、ゴキブリなどを退治する。日本で1000種類ほどある蜘蛛のひとつ。これは、推測だがオスが存在していても、メスの存在感が余りにも大きいから「女郎」などとネーミングされたのだ。第一、体格から違う。メスはオスの3〜5倍の大きさとのことだ。



オスはメスの張った網の中に居候して、メスが何かを食べている時に交尾に挑む。なぜか?メスは目が悪いので、網にかかったものは何でも食べてしまうからだそうだ。メスの掛けた網に居候しているオスは一匹だけとは限らず、メスをめめぐって絶えずオス同士の闘いがあり、敗れた方はメスのエサになって行くという。


当初は、哀れみの心で接していた女郎蜘蛛も調べて行くうちに、むしろその取り巻きのオスの女郎蜘蛛に哀れみを感じ、メスの方には畏敬の念すら持った。小学校か中学校か忘れたが、国語の教科書に芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」が載っていた。蜘蛛といえど、生きとし生けるものは殺していかん。お釈迦様の御慈悲で地獄から出る糸を垂らしてもらったが、自分だけ良い目に会おうなんていう気持ちはいかん。


そんなことを示唆した小説だったと思う。ふとしたことから調べた蜘蛛の生態も芥川龍之介の小説に負けず劣らず、人生の示唆に富んだものだった。蜘蛛はエライやっちゃ。