大国の「弁慶の泣き所」トイレ


今週は厳しい冬型の天気が続く。けさは名古屋で初雪が観測されたそうだ。ウォーキングの道すがらのお宅の庭でヤツデがいま元気だ。きょう12月13日の誕生日の花がそのヤツデとラジオ深夜便。「天狗のうちわ」と別名があるほど、魔物を追い払う力があると考えられているほど大きな葉が特徴。


何年か前の「季節の花めぐり」でヤツデと昆虫の驚異の営みの話があった。この時期、蜜を求めてヤツデにやってくるのはアリ・ハエ・アブでよく晴れた日に限られる。黒っぽいそれらの虫は、寒い日でも日差しがあれば体を温め活動できるからだ。


それらの虫にとってヤツデの蜜は冬越しのための貴重な栄養源。ヤツデにとってはライバルとなる花が少ないから虫たちを独占し確実に花粉を搬送させることができるという。自然の営みは実にうまくできているものだ。



先日日経のデジタル版の海外レポート。小さな記事だったが、「中国のトイレ革命」などと書いてあったので興味を惹いた。ニイハオトイレや家庭では瓶(かめ)の中へ用をたし、その瓶を地域の共同トイレへ持って行って捨てる。その瓶が洗って干してある光景が目に焼き付いているからだ。


習主席が2年前から観光地のトイレ事情をよくするよう「革命」を呼びかけ、その成果を農村部にも広げようと国営放送が連日特集を組んでいるそうだ。各地の農村できれいなトイレができたことを喜んでいる映像が流されているという。



中国と並ぶ人口大国インドのモディ首相も、トイレ問題には習主席に勝るとも劣らない熱心さで、農村部では女性用トイレがないことも珍しくない実情に「まずトイレ、寺院はその後」と訴えているそうだ。


「一帯一路」構想で欧州、そしてアフリカまで進出、太平洋の支配権を米国と二分する構想までチラつかせる習主席。中学生のとき社会科の先生が、おまえらが家庭を持つ年頃には、インドはきっと原爆をつくっている。それほどの大国だぞ。そんなことをいわれたが、核保有国になっていいるモディ首相。


両首脳の政治的思惑もうかがわれるが、そんな大国の「弁慶の泣き所」がトイレ問題とはねぇ。政治家が何もいわなくても洗浄機能付きトイレの普及した日本のありがたさを、いまさらに思う。