新緑・紅葉・花 同時ウォッチモミジ


少々風が強いが安定した晴れの日だ。ウォーキング途上で見かけるヤマザクラもほぼ散ってしまった。今は新緑が美しい。きのうの朝のように雨上がりの新緑が一段と美しい。中でもモミジ、カエデの新緑の美しさが抜きんでている。モミジ、カエデといえば秋の紅葉ばかりに目が向けられがちだが、春から初夏にかけての新緑と花や、春にも紅葉することが意外と知られてない。この時期、モミジ、カエデの新緑、紅葉、花が同時に見られるのだ。そのウォッチング。



わが家の南側にある緑地帯。モミジは5本植えてあり、秋には紅葉する。今、新緑の一番美しいときだ。背後の竹藪の緑と比べてみると、その緑の深さが際立っている。朝、目覚めてカーテンを開けると目に飛び込んでくるのがこの緑の美しさだ。


4mくらいあるモミジの木の下で花の写真を撮ろうとしても風が強い上、花が1cmにも満たない大きさなので、小枝を家に持ち帰って室内で撮ったのが冒頭の写真。紅い小さな花弁から白い雄しべが飛び出している。5月下旬頃になると翼果(よくか)と呼ばれる羽根をつけたような果実が紅く色づいてくる。



紅葉が終わり、葉が落ちる頃、竹とんぼのような羽根状の茎元二つのふくらみの中にモミジの種(実)ができた翼果は風に飛ばされ、くるくる回りながらより遠くへ運ばれて行く。種(しゅ)を絶やさないための自然界の営みにはただ驚き入るばかりだ。写真は5年前の秋に撮ったもの。



ウォーキングコース沿いにあるワイナリー脇に丘陵の尾根から麓に下りる私道があり、何本もモミジがある。5mもあるような大木ばかりだ。秋の紅葉は三好丘界隈では一番美しい木々だ。いつのまにか、紅葉しているのではないか。
秋の紅葉は鮮やかな色だが、春は鮮やかさの欠けるチョコレート色に近い色だ。


ネットで調べてみると、春の紅葉はそんなに珍しいことでもなさそうだ。そのメカニズムはこういうことらしい。秋にモミジが赤くなるのは植物が出すアントシアニンという物質によるものだそうだ。そして、このアントシアニンには紫外線から植物を守る性質もあり、芽吹いたばかりの新芽が紫外線から自分を守るため、このアントシアニンを出して結果として新芽が赤くなっているのだそうだ。


云いかえれば、春の紅葉は春の強い紫外線から組織の未熟な若葉を守っているのだ。色を染める物質はアントシアニン。この物質の出す色が紫外線を遮り、若葉を守っているのだ。色鮮やかな秋の紅葉と較べると春のそれは鮮やかさに欠ける。春に紅葉、このトシになって初めて知った。