世に収賄の種は尽きまじ


夏空が広がり、厳しい暑さになった。野暮用やら雨で遠ざかっていたグラウンドゴルフ、今月はじめてのゲームで心地よい汗をかく。ラジオ深夜便によるきのう7月9日の誕生日の花はギボウシ。つい、先だっての日記にアップしたところだ。きょうは、昨年撮ったギボウシのつぼみをアップした。この花の名前の由来が何となくわかる。


この花、夏に涼しげな色で咲く。葉っぱは幅広で大きい。強い日光と猛暑が苦手らしい。わが家で、ウッドデッキの下で育てたのは正解のようだ。橋の欄干の上にある、玉ねぎをさかさまにしたような装飾物が「擬宝珠」。この花のつぼみが「擬宝珠」に似ていることからこの名になった。ゆり科ギボウシ属。



今、世界中でキャッシュレス化が凄い勢いで進んでいるようだ。中国ではパソコンが先進国ほど普及せず、パソコンとネットの時代を跳び越えて、スマートフォンの時代が到来したのだ。モバイル決済で現金を使わなくなっただけでなく、日常生活に伴うすべてがスマートフォンに集中することで、生活が便利になり、生活コストが下がっているといわれる。


北欧諸国でもキャッシュレス化が凄い勢いで進んでいるという。若者は現金なしで生活しているとも云われているほどだ。昨年、北欧4ヶ国旅行したとき、スーパーで土産物を買ってレジを観察していても現金を払う人がほとんどいないしホテルでミネラルウォーターを1本買うだけでもカードしか扱ってくれないところもあった。




翻って、日本はどうだろう?確かに、給料の銀行振り込みだとか都市交通のカード乗車、高速道路の通行料などキャッシュレス化が進んではいるが、その進み具合は遅々たるものだ。昔は、賄賂・袖の下といった類は現金が相場だったが、その賄賂・袖の下のキャッシュレス化には、色々と知恵が働いているものだ。


バブル期のリクルート事件では、未公開株だった。収賄側は、株を買う金は払っていた。果たして未公開株が「値上がり確実」で賄賂と認定できるか裁判の争点となった。旧大蔵省の接待汚職事件では、女性のきわどい接客が売り物のしゃぶしゃぶ店での酒食のもてなしが話題になった。




先週、受託収賄容疑で文科省の現職局長が東京地検特捜部に逮捕された。私大支援事業をめぐり、私立医科大に便宜を図った見返りに、自分の子どもを同大に入学させてもらったというのだ。この事実が賄賂と判断された。新手の袖の下だ。


キャッシュレス化が進み、生活コストが下がり、便利になることはけっこうなことだ。ただ、賄賂・袖の下の類のキャッシュレス化はいい加減にしてもらわないとねぇ。先週の日経新聞のコラムで上手い事言っていた。石川五右衛門の辞世を借りるなら、「浜の真砂(まさご)は尽きるとも、世に収賄の種は尽きまじ」と。