立秋の蝉しぐれ


関東・東北をめざして台風13号が向かっている。湿った空気の影響で朝から全天雲に覆われている。時折、細かな雨模様。日照りもなく野良仕事にはもってこいだ。黙々と野良仕事中に、やかまし蝉しぐれに包まれると、周囲の気温が3度から5度くらいは上がったような気になる。日照りはなくても、蝉しぐれが暑くしてくれる。これも、夏の風物詩か。


ウッドデッキの斜面周囲の草刈りをしていて、「セミの抜け殻」を見つけた。これが地上に出て1週間しか生きていないのか。この姿を見るとあまりにも辛すぎる。本当かなと思ってネット検索。やはり、これは都市伝説で実際には1ヶ月から1ヶ月半は生きているそうだ。しかし、もっとつらいセミの一生を知った。



セミの卵は木の幹の中でふ化し、幼虫となって土の中にもぐる。木の根の樹液を吸って成長。モグラなどに食べられることが多い。アブラゼミで土の中で6年。外に出て羽化。成虫になったら毎日がサバイバル。鳥、蜂、蜘蛛、人間から狙われる。


生き残って、子孫を残そうとするとこれがまた大変。オス、メスの個体数はほぼ同数。メスは一生に一度しか交尾しない。オスは複数回交尾可能。オスが一度も交尾することができないで去って行く率は37%とか。あまりにも辛すぎるセミの一生だ。




セミの一生も辛いが、人間も終末に近づけば近づくほど辛いものだ。終末ケアーのホスピスに入ったとか、息子さん夫婦と同居するため、今の住まいが売りに出たとか噂が絶えない昨今だ。近所での支え合いで救われることも多々あろう。頼りは血縁より地縁かもしれない。「遠くの親せきより近くの他人」ともいう。ご近所さんとのウォーキングや麻雀、そんな打算から始めたつもりはないが、案外一石何鳥かもしれない。



このところ、身近なところの多治見、美濃、名古屋と暑さ情報の上位ランク常連都市のテレビ露出度がいやに多い。身近なところで暑さが猛威をふるうなか、きょう8月7日は二十四節気立秋だ。実感はまったくないが、暦の上では秋の始まりだ。暦と天候のずれが著しい。今年はひとしおだろう。蝉しぐれから秋の虫の合唱への引き継ぎは間近だ。