台湾鉄道事故に思う


朝配達された新聞はビニールの袋を被っていた。夜半から早朝に降ったようだ。ウォーキング時にはすっかり青空だった。日差しが強い分風が心地よく過ごしやすい日和になった。きょう10月24日は二十四節気の「霜降」。秋が一段と深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなり、初霜の知らせが聞かれるのも大体このころだ。ウォーキング中に見かけるもみじもところどころで色づき始めている。


18人が死亡した台湾北東部の特急列車脱線事故、脱線・暴走の様がテレビに写し出されるのを見るたびにぞっとする。丁度半年前の4月23日に、東海岸花蓮から台北まで特急列車に乗って事故現場も通ったのだ。我々は東海岸を北上、事故列車は同海岸を南下中のことだった。




花蓮から台北まで2時間ちょっと。JR東海の子会社日本車両製の列車は座席もゆったりとして快適な旅だった。この事故の第一報を伝えるテレビのニュースで、原因が車体にあるものか、システム上のものなのか、ヒューマンエラーによるものかはっきりしていないのにかかわらず、日本製の車両が事故を起こしたという伝え方をしていた。


KYB製のダンパーの不祥事が大きな問題となり、日本の製造業のモラルが取りざたされているときだけに、メディアもまたもや、日本製の車両が・・・とビッグニュースにしたい気持ちはわかるが、ちょっとメディアのモラルもかけているのではないかと思えて仕方ない。ニュースの伝え手に愛国心があればこんな報道の仕方はしないと思う。




きのうのこと。「台湾の列車事故、この春わしらが通った所でないか」と同行者から云われて、そういえばそうだ。テレビの報道の仕方が気にかかって、半年前に自分の行った場所であることを、すっかり忘れていた。4年前欧州鉄道旅行をして、欧州の高速鉄道であるTGV、ユーロスター、ICE、タリスに乗ったが、技術的なことは別にして、日本の新幹線に勝る鉄道はないと確信を得た。


その日本から台湾に輸出された鉄道車両を貶めるような報道の仕方が、”鉄ちゃん”のはしくれとしては許せなかったのだ。半年前に行った場所での事故であることを忘れさすほどのインパクトで許しがたいことだった。