世界が注目ハノイ

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月が最も地球に近づいたときに満月になる現象をスーパームーンというそうだ。今年は2月20日0時54分とか。この日は雨に遮られたので一日遅れの夜明けのスーパームーンだ。

 

「菜の花や月は東に日は西に」蕪村 この俳句とはまったく逆のシチュエーションの上の画像。「菜の花や満月西に陽は東」とも云えよう。清少納言は「枕草子」で「春はあけぼの」と夜明けの風情を絶賛しているからといって「満月西、陽東」ではどことなく不釣り合いの感じがする。

 

蕪村の句は一面の黄色い菜の花、同時に見える月と太陽…穏やかに暮れゆく春の色彩感と香りと空気感、さらには、月と太陽と大地と作者が一体化する瞬間が感じられる句に感じられる。

 

 

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注目のベトナムハノイでの米朝会談が来週に迫って来た。両国の先遣隊の動きが連日報道されている。ハノイへは4年前の2015年に3月と12月の2度訪れている。ハノイの街がテレビに写し出される度にその思い出が蘇り、日頃会話のない夫婦にも話題を提供してくれている。

 

現地ガイドの話で今日本の企業がベトナムに進出する理由が垣間見られた。

 1.ベトナムはアセアン諸国を結ぶビジネスの絶好の拠点である。

2.ベトナム人の国民性は明るく、素直で素朴。勤勉。親日的。

3.人口9千万人で平均年齢28歳(日本45歳)。人口が増加傾向で今に日本の人口に追いつくよ。

4.年5〜8%の高度経済成長。日本の1960年代のように高い経済成長率。

 

ハノイの朝の通勤ラッシュ。片側3車線ある広い道路がバイクで埋め尽くされ、けたたましいクラクションとバイクの轟音がすざまましい。ホンダがバイクの代名詞にもなっているそうだ。ベトナム全国で1日平均32人の交通事故による死者があるそうだ。

 

 

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3月に行ったベトナムはカンボジャのアンコールワット行きの通過地みたいなものだったが、12月にはまがりなりにも北ベトナムハノイ南ベトナムホーチミンの市内観光をして、ベトナムという国に触れてみることができた。この国、南北に長い国で日本の9割ほどにあたる国土面積。北のハノイは首都で政治文化の中心地。約1700km南にあるホーチミンは経済の中心地。飛行機でも2時間の距離。鉄道だと33時間かかる。

 

 

ハノイでは春夏秋冬があって12月は22〜13度の気温。ホーチミンは雨期と乾期に分けられる。12月は乾期で32度くらい。35歳以下の人口が65%で非常に若い。ハノイの労働者の平均給与は月2万円(大卒4万円)1日3食約800円。大多数は副業で生計を立てている。経済の中心地ホーチミンではハノイの倍近い給与。

 

 

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ベトナム戦争インドシナ戦争後に南北に分裂したベトナムを舞台に米国中心の資本主義陣営と、ソ連を中心とする共産主義陣営との米ソの代理戦争でもあった。ホー・チ・ミンが率いる北ベトナム側は、南ベトナムを「米国の傀儡(かいらい)国家」と規定し、南北ベトナム統一独立国家の建国を求める植民地解放戦争であるとしたのだ。

 

 

こうした歴史的背景があるせいだろうか。北のハノイと南のホーチミンでの現地ガイドの本音のところをただしてみるとやはり、歴史を引きずっていることがわかった。ハノイのホーさん(40代男)。電気もなく、虫をも食べていた幼い頃と比べ、今の生活ができるようになったのはホーチミン共産主義のおかげ。皆さんはベトナム戦争ベトナム人同士の南北戦争と思っているかもしれない。決して、そうではない。共産主義のための戦争だった

 

ホーチミンのソンさん(40代男)思想的な話になるとこれ以上は云えない。と口をつぐむケースが度々。小さな会社を経営しているようで、これ以上手を広げようとすると”賄賂”なしにはできない。と共産主義に懐疑的になっていることが、見て取れた。

 

 

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 古きものと新しきもの。相対する二つの魅力が融合した街。ハノイにもホーチミンにも共通して云える形容詞だろう。ホーチミンの街角で信号待ちのバイク集団と欧州の最高級車が並ぶショウウィンドウ。ホーチミン随一のショッピングストリート、ドンコイ通にはデパート、ホテルが立ち並ぶ一方で、仏領時代からの建物も残り新旧が混在した独特の風景だ。

 

 

ハノイの西側には近代的な高層ビルが建ち並び新都心となりつつある地区がある。その一方旧市街は、昔ながらの商業区として風情と趣をたたえたエリアだ。新旧がほどよく溶け合う。それがベトナムの二大都市ハノイホーチミンの魅力だ。