「交渉は人や。やっぱり大事なんは人間性や」

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春は晴れが3日も続かぬから仕方あるまい。午前中から小雨が庭の敷石を濡らしている。それでも、止み間には雀やひよ鳥が、せっせとエサをついばみにやってくる。のどかな春の雨だ。

 

きょう3月3日は雛祭り、桃の節句だ。ラジオ深夜便によるきょうの誕生日の花は桃。節句は旧暦、誕生日の花もそれに合わせているから実際に咲く花とは1ヶ月位のずれが生じている。上と下の画像は5年前の4月9日撮影の猿投山山麓の桃畑群。

 

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米朝首脳会談が終わった。あっけない幕切れと言った感じだ。メディアの表現も「決裂」もあれば「物別れ」もある。厳しい見方もあれば穏やかな見方もあった証拠ではないだろうか。この結果になるのにも、それなりの伏線があったのではないだろうか。

 

対外交渉事とりわけ外交交渉では、双方の実務担当者が問題点を詰めた結果でトップ同士がシャンシャンと手を打つ。これが常道だろう。ところが米朝の場合は型破りなトップ同士。両者がオレが、オレがで準備不足のまま功を焦り過ぎたのではないだろうか。

 

両トップに焦りをもたらしたのは、首脳会談と同時期にワシントンで開かれていた大統領の元顧問弁護士の公聴会ではないだろうか。内政で危機に追い込まれているこの時に、公聴会で汚点の上塗りをされてはたまらない。トランプ大統領は外交で成果をあげて汚点を打ち消す腹積もりがあったのではないだろうか。

 

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一方の金委員長は、大統領は外交で成果を上げようとしているから、ハードルは低いと見ていた。そして、歴代の大統領は北朝鮮を見向きもしてくれなかった。今回の公聴会が引き金になって次期大統領が代わったら交渉のチャンスがなくなるかもしれない。何とかしなければ、という焦りもあったかもしれない。

 

何にしても、今回の交渉で両首脳の判断ポイントとなったのはワシントンでの公聴会だっただろう。そして、両者間の溝を埋めることができなかったが、溝の深さ、幅、長さがわかった。それは収穫でなかっただろうか。

 

今は亡き米朝師匠はこんな言葉を遺していた。「芸は人や。やっぱり大事なんは人間性や」。米朝両首脳に「芸」を「交渉事」に置き換えてごらん。と言ってやりたいものだ。