レアもん 白いカタクリの花

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ウォーキングの時間には上空は薄雲に覆われ日差しもなかった。けさのラジオ深夜便で、きょうの誕生日の花がカタクリと伝えている。足助の飯盛山カタクリの花を撮りに行くつもりでいたが、日差しがないと花は開かない。行って空振りではつまらん。ということで、四つ池のソメイヨシノの開花を確認して足助行を中止してしまった。

 

ところが、お昼過ぎには薄雲から日差しが届くようになった。そうかといって、今さら・・・だ。土日は混む上に天気が心配。今年のカタクリは見送りだ。人類はいつまで自然に振り回され続くだろう。

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四つ池の桜の開花も、昨年は25日に開花、27日にはもう見頃のスピードだ。それに引きかえ、今年はのんびりしている。気まぐれなことよ。自然は。これだからこそ、こんな歌も生まれてきたのだろう。

 

世の中にたえてさくらのなかりせば春の心はのどけからまし  在原業平

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 クマさん、カタクリの花に拘るのは、昨年のきょう3月29日に足助の飯盛山に行ったとき、マニアにとっては垂涎の的と言われる白いカタクリを撮影できた。今年も二匹目のどじょうがいるかもしれないという下心があったからだ。

 

カタクリの花は薄紫色が普通だ。その白花には 神秘的な魅力がある。花びらに色素が形成されないために白い花を咲かせる白花変種 (はくかへんしゅ)というものらしい。自生するものは非常に稀で、数万本に一本とも、十万本に一本とも言われているそうだ。

 

以下は昨年の日記のカキコにけさのラジオ深夜便の解説を書き加えたザ・カタクリ。足助のカタクリ香嵐渓飯盛山の北西向き斜面0.5ヘクタールに群生地がある。ここでは昔から自生していたものを保護育成した結果現在の規模になった。


この花、3月下旬頃地上に姿を現して、薄茶色の紋様がある葉を出す。10数cmの花径の先に薄紫色の可憐な花が一輪下向きに約2週間咲く。花の姿が可憐で「早春の妖精」ともいわれる。ただ、非常にデリケートで、花びらは一日の中で気温が上がると開き、下がると閉じる。

 

雨や曇りの日・温度の低い日は1日つぼんだまま。そんな日は受粉を助けてくれる昆虫も活動しないためで、花を閉じたままで休養していると言われている。無駄な体力は使わないのだ。そして、5月頃に葉も枯れた後は、次の年の3月頃まで球根のまま休眠する。1年のうち2ヶ月働いて10ヶ月休眠とは、カタクリは我々に先んじて「働き方改革」をしているのだ。


早春の他の野草に先駆けて咲く花で、形といい色合いといい「春のはかない命」と云われるにふさわしい花だ。ひかえめにうつむきかげんに咲き、清楚な色合いのところなど、これぞ大和撫子と云った所だ。そんなところから、花言葉が「初恋」とのことだ。なんとなく、わかる気がする。

 

昔は片栗粉の原料として球根が主役を張って、花は添え物だったカタクリ。時は流れで、今では花が主役を張り、球根は添え物。昔は塩の集散地として賑わった足助街道。時は流れて、今ではトンネルが開通してバイパスの国道が主役を張り、街道筋は文化遺産に。互いに似た運命をたどっている。