「唐辛子にんにく」「トウバンジャン」「コチジャン」

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連日の真夏日。湿度が低いから温度の値ほど不快感はない。きょうなどは陸上競技場でグラウンドゴルフの大会だったが緑の風が吹き渡り、炎天下がさほど苦にならなかった。まさか、体のセンサーの加齢現象ではないと思うが・・・。

 

わが家の庭の火のない所から煙が立っている。まさか、連日の真夏日のせいではあるまい。高さ3mほどのスモークツリーが満開になった。初夏に咲く細かい花の後、写真にあるようなもこもことした花穂になる。これを煙に例えてこの名になった。和名はケムリの木。ウルシ科。

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先日家庭菜園でにんにくを収穫した。焼肉のときなどに重宝している。折も折、朝のラジオの番組で会津の「唐辛子にんにく」を紹介していた。レポーターがスタジオに持ち込んで、その「唐辛子にんにく」を味噌汁に入れたり、焼き肉につけて食べたりしていた。唐辛子とにんにくをペースト状にした旨味を増す調味料のようだ。

 

会津では家ごとにこの調味料を作って、それぞれ独自の味があるとレポーターが語っていた。今は農協に出荷したり、通販で販売しているとのこと。ちなみにネットで調べたらこの「唐辛子にんにく」は会津特産でもなく、島根、鳥取、熊本産のものが通販のサイトに出ていた。                

 

料理なんかしたことのない自分だが、ここで、ふと思ったのは東アジアの食文化は米を食べる習慣をはじめ調味料にいたるまで、根っこは同じだ。ということだ。

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 中国のトウバンジャンは唐辛子、ソラマメを原料とし、韓国のコチジャンは唐辛子、もち米麹を原料とした発酵調味料なのだ。9年前の2010年に中国桂林にツアーで行き、トウバンジャンを10個も買ったことを思い出した。

 

桂林は自然がつくりあげた雄大な景観を眺めながらの川下りがハイライトだが、500年以上の歴史をもつ少数民族の古い村を訪ねたのも印象に残っている。桂林市内から約1時間、道のりの半分は未舗装の凸凹道。昔ながらの民家が残り、そこに現在も人々が生活をしている。

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  村に入ると木陰のある広場が唐辛子を出荷するための作業所になっている。写真にある赤い山はすべて唐辛子だ。50mほど離れた場所で明らかに漢民族とは違う顔をした女性が真剣な顔つきで並んでいる。作業所で仕事をさせてもらうための順番待ちをしているとのことだ。

 

こうした農村から出荷された唐辛子。桂林の街頭では若い衆が巧みな包丁さばきで唐辛子を刻んでトウバンジャンを作ってゆくパフォーマンスをして瓶入りのものを売っている。おみやげ店やレストランへ売りに来るものより安かった。

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 観光客向けの料理の味は薄口になっており、食卓には必ずトウバンジャンが出ている。それで、辛さ加減を自分の好みにする。チャーハンにトウバンジャンを乗せて食べると実に美味しい。

 

 唐辛子の入らないトウバンジャン、にんにくのない焼肉、クリープの入らないコーヒーのようなものだ。