初夏の松川渓谷の花々

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令和になってもう1ヶ月。善きにつけ悪しきにつけ、あまりにもいろいろなことが起きて慌ただしく過ぎた感だ。朝から雲が主役の一日。半袖と長袖を脱いだり着たり、梅雨入り前の季節の変わり時だ。

 

先日宿泊した信州山田温泉藤井荘へ同旅館の借景となっている渓谷沿いに咲く花の名前をメールで問い合わせたが返事がない。業を煮やして女将に直接電話。パソコンを見落としていたようで、平身低頭(姿が見えない。口ぶりでそう感じられた)。しばらくしてメールで回答が来た。栃の木の花とクマノミズキだった。

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松川渓谷を流れる水音、木々を揺らす風の薫り、季節の変わりを告げる鳥のさえずり、そんな借景の中、朝ぶろの湯上りにテラスに出て冷たいビールをやるぜいたくなひととき。ここは、猛暑日真夏日もない別世界だ。

 

そんな別世界だけに、あまり馴染みのない花が多い。一目でわかるのはフジくらいだ。三好丘のヤマフジの盛りは4月下旬だった。ここ長野の山奥では今が盛り。丁度1ヶ月季節が遅れている。

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女将からの回答は栃の木の花とのこと。日本のそれは、花が白いはずだ。写真のそれは、花の形は同じだが色が西洋栃の木(マロニエ)に似ている。パリやウィーンでみたマロニエ並木はこんな色だった。研究者でないから、どちらでもいいが、こんな深山幽谷マロニエに出会えるとは思いもよらなかった。

 

もうひとつのクマノミズキ(熊野水木)の名は、三重県熊野地方に産するミズキに由来。ミズキ(水木)の名は、早春に枝を切ると樹液がしたたり落ちることに由来とのことだ。花そのものの写真はカメラの倍率の関係で撮れなかったので、ネットから借用した。

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タイサンボクは豊田・緑化センターで何度も出会っていた。開花時期は、6~7月。 北アメリカの東南部原産。明治初期に日本へ渡来。直径50~60cmの大きい白い「おわん」形の花。日本の樹木の花としては最大。花、葉、樹形などが大きくて立派なことから賞賛してこう名づけられた。放置しておくと樹高20mくらいになる。

 

まぶしい緑、澄み切った空気に薫る風、花の写真ファンにとっては素材がいっぱい溢れている。まだまだシャクナゲアメリシャクナゲがフォルダーに残っている。秋の紅葉シーズンはもっと魅力的だろう。もう、いっぺん行ってみたい。