みちのく紀行2 佐井村

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先週あたりから「晴れぬ夏」だとか「冷夏」だと盛んに報道され、お天道さまも気を遣ってきょうは久しぶりの晴れ間が戻った。とはいえ、梅雨の最中の日差し。先週の本州最北端の地大間崎で浴びた真夏の青空からの日差しとはモノが違う。

 

その大間崎が下北半島のてっぺんなら西側の海岸沿いの人口2千人あまりの小さな村が佐井村だ。かつての佐井湊は北前船航路の重要な位置にあり、青森ヒバの積み出しによって繁栄したそうだ。現在も、お祭りや伝統芸能などに上方の流れを汲み、NHKラジオ「マイ朝だより」で紹介された漁村歌舞伎に引き継がれているようだ。

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この佐井村の港にある観光拠点津軽海峡文化館アルサスで地元食材を使用した昼食をとりながら、基幹産業の漁業や観光・歴史の話を聞いて思った。村の規模は小さくともキラリと光るものがある。大相撲でいえば幕内で身長・体重とも170cm、100kg未満の一番小さいながらきのうまでで7勝3敗の炎鵬の活躍ぶりを彷彿させる。

 

青森県のヒラメは日本一の水揚げ高を誇り、とりわけ佐井村は独自の商品開発を進め全国に出荷しているという。生うにの伝統的な漁と味覚が佐井村のウリだそうだ。同村の代表的な観光スポット”仏ヶ浦”は佐井港から50人乗りくらいのクルーザーで海岸沿いに南下30分。仏ヶ浦海岸の桟橋に接岸。上陸して巨大な奇岩群に改めてその凄さを実感。年間10数万人が訪れているという。

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第一印象は、7年前にツアーで訪れた年間2百万人が訪れるというトルコのカッパドキアの小型の海版だということだった。両者とも火山活動による噴出物などが堆積してできた凝灰岩から形成されている。カッパドキアは12万平方キロに及ぶ凝灰岩台地が風雨に浸食されてできた高原であるのに対し、仏ヶ浦は海底火山の活動による噴出物が堆積し、海底の隆起により形成された大地だ。

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仏ヶ浦は規模こそカッパドキアにはとても及ばないが、カッパドキアにはないキラリと光るものがあるということだ。それは、夏には山の緑や海と空の青と共に見事なコントラストをなすということだ。内陸にあるカッパドキアがどう逆立ちしようがこのマネはできない。

 

炎鵬だって身長2m体重200kgの碧山に勝てるワザを持っている。人口2千人の村にこれだけキラリと光るものがある。応援したくなった。年末にはふるさと納税をしよう。返礼品はうに&いくらしょうゆ漬けなど海産物がいろいろあるようだ。