原爆の日エピソード

 

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涼しい内にと早朝から始めた野良仕事も蝉しぐれに見舞われると、いっきに暑さが増してくるきょうこの頃。東南の海からは台風8号から10号の波状攻撃。日本海を挟んだ半島では4回も連続して短距離ミサイルの発射。にっちもさっちも行かなくなった日韓関係、米中貿易戦争、円高株安。なにひとつとっても、気のめいる話ばかりだ。

 

そんな中で飛び込んできた「スマイリング・シンデレラ」の朗報だ。ゴルフのメジャー大会である全英女子オープンを制した20歳の渋野日向子選手に、現地メディアがつけたという。テレビで見るふりまき続けたスマイルは確かに魅力的だった。

 

報じられている通り、彼女は昨年プロテストに合格したばかりで、初の海外試合でのメジャー制覇というシンデレラ物語につながった。昨夜7時のNHKニュースでは広島の原爆記念式典よりも、甲子園の高校野球の開会式よりも、彼女の凱旋帰国が優先して放映されたことは、気のめいるニュースばかりの中での一服の清涼剤であったことを物語っている。

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 ♪ ふるさとの街焼かれ/ 身よりの骨埋めし焼土(やけつち)に/  今は白い花咲く/ ああ許すまじ原爆を/  三度(みたび)許すまじ原爆を / われらの街に

きのう8月6日は広島原爆の日だ。歳のせいだろうか、この1,2年昔のことを思い出して思い出に浸ることが多くなったような気がする。8月6日や9日の原爆の日になると、中学生のときホームルームの時間にロシア民謡とともに習った「原爆を許すまじ」の歌が頭の中を駆け巡る。60数年経っても1番だけならすらすら出て来る。

 

きのうの夕飯、何のおかずだったか忘れても、60数年前にみんなと一緒にホームルームで歌った歌は、ロシア民謡をはじめ何曲も歌詞カードなしでも歌える。歌を教えてくれた教師は今の自分とは思想・信条が違うが、教科書以上に平和を愛する心を我々に教え、それが今に生きている。

 

 原爆の日に関わる二つのエピソードは、クマさんの日記に、8月6日や9日が来るたびに、既に4.5回以上カキコしているはずだ。きのうの広島の平和祈念式典での男女小学生による「平和への誓い」全文を今朝の新聞で読んで大変よくできていると感銘を受けた。自分も毎年この日には、たとえ内容が同じでも、こうした体験をカキコすることにより後世に残すことにした。

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 原爆に関するエピソード。もうひとつ。2010年サイパン旅行したときの後味の悪い思い出だ。テニアン島サイパンから南へ5kmの島。6人乗りセスナ機で渡る。10分ほどで渡れる。現地のツアーガイドが自家用車で案内してくれる。ジャングルの中まで入るのでバスは入れない。このツアーガイドは60歳前後の日本人男性。正確に言えば鹿児島生まれの米国籍。グリーンカードを取得して米国市民権を得たおじさん。

 

B−29エノラゲイが原爆を搭載したピットを見学したときこんなことを語った。広島と長崎の原爆により日本は本来ならもっと長引く戦争から早く解放された。そして、朝鮮のように分断国家にならなくてすんだ。と。生粋の米国人が戦勝国の論理で語るのなら、そんなものかと不承不承ながら悔しさをかみしめる。                

 

ところが、彼は米国の市民権を持っているからと言って米国人ズラをして同胞に向かってそこまで言わなくてもいいものをと思いながら後味の悪いテニアンツアーだった。