多治見が暑いワケ

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朝夕の涼しさの中に“爽やかさ”が感じられるようになった。明後日8日は二十四節気の「白露」だ。夜の間に大気が冷え込み、草花に朝露が宿ることから名づけられただろう。野にはススキの穂が顔を出し、太陽が離れていくため空が高くなるなど、本格的な秋の到来を感じられる頃だ。ウォーキング中に仰ぐ空、路傍に咲く草花もそんな雰囲気を後押ししている。

 

きょう9月6日の誕生日の花はヨルガオとラジオ深夜便が伝えていた。8月下旬頃から丘陵の荒れ地に青いアメリアサガオと同じ場所に咲いていることを見かけることが多い。夕方から咲き始め、白い花が開いて翌朝にはしぼむ。名前のとおり”夜に開く”。 夜活動する昆虫を引き付けるために芳香を放つ。。つるには少しとげがあり、触ると痛い。どんどんのびる。昼顔科。サツマイモ属

 

ヨルガオより活発な活動をするのが、オシロイバナだ。野や街中でも6月下旬から10月下旬までラッパ型の赤、白、黄の花を咲かせる。夕方頃に活動する昆虫に対しては、花の多彩な色で引きつけ、夜に活動する昆虫には、その香りで引きつける。白粉花(おしろいばな)科。オシロイバナ

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 この夏わが故郷多治見では国内最高気温を記録した日が幾日もあってその都度全国に名をとどろかせた。今月の3日も35.3度で国内最高だったようだ。2007年8月16日には40.9度の観測史上歴代2位(1位は41度の高知県の町)の記録で一躍全国区の都市として名を上げた。多治見の連中と毎年旅行をしているが、訪問地で多治見から来たというと、あの暑い町の多治見ね。などと云われることがけっこう多い。

 

地場産業の陶磁器の衰退で斜陽都市化した多治見も降って沸いたような「暑さ」で知名度を上げたのだ。この暑さのメカニズムを筑波大学の計算科学研究センターが気象データで解析して、国際的な専門誌に発表した。そんなことが地元の新聞に出ていて、多治見の仲間のブログで話題を呼んでいた。

 

その発表された結論というのはこうだ。「滋賀・岐阜両県にまたがる伊吹山地フェーン現象で高温になった西風が濃尾平野で熱せられ多治見に届いていた」つまり、琵琶湖の北付近の空気が伊吹山地を越え、フェーン現象で高温になり、西風によって広い濃尾平野を運ばれるうちに、熱くなった市街地の地表面の熱を次々に拾い、多治見に到達するのだ。

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日本が高度成長時代に入る前、伊吹山から東の濃尾平野にかけて、今のように新幹線もなければ名神高速もなかった。濃尾平野を西から東に吹く風もコンクリートで熱せられた地表面の熱を拾うこともうんと少なかった。多治見も世間並みの暑さだった。多治見のまわりの様子を仲間はブログでこう表現していた。

 

 「小学校時代、夏休みに 毎日 日記を書かされ、気温もつけた。きおくによれば、33度、34度まではあったが・・・37度、38度なんてなかった。田んぼの水がなくなり、緑の山が 住宅地になったんだから・・・気温があがるのもむべなるかなである。」

 

 多治見在住の仲間たちに暑い思いだけをさせておいて、自分はあの暑さ日本一の多治見出身やと誇らしげに語るクマさん。これが、無責任男の”ええとこどり人生”かもしれない。