これまでとは次元の異なる事態

f:id:mikawakinta63:20191030130908j:plain

冷たい雨が日中降り続いたきのうとは打って変って、朝から穏やかな秋晴れのきょう。養老・鈴鹿山系の山々がいつもより霞んで見えると思ったら、どうも黄砂のせいらしい。春先だけでなく、この季節にも黄砂はあるらしい。

 庭に季節外れの紫陽花が咲いているのではないか!その脇の鉢では、夏の間じゅう咲き誇り、秋の声とともに色あせ、萎れていた鶏頭(ケイトウ)が再び色鮮やかな深紅や黄色に蘇っているのでないか!

 季節外れに咲いた花のことを、「狂い咲き」とか「返り咲き」などと言うことがある。クマさん的感じ方では、この紫陽花と鶏頭の場合、紫陽花は「狂い咲き」鶏頭は「返り咲き」と呼ぶのがふさわしいのではないかと思う。

 この紫陽花は茎の高さが20cmほど。本来の開花の時期に栄養や成長が間に合わずに咲くことができなかった。それが、随分と遅れて栄養や成長が開花に達し、季節外れの穏やかな気候が巡ってきた時を逃さずに、ここぞとばかりに開花したと思われる。周りの花より開花が遅れても、焦らず諦めずに自分の時を待ちパッと花を開いて見せたその狂ったような貪欲さで、がむしゃらにも見えるのだ。

 この鶏頭の「返り咲き」という表現、、穏やかで温かみのある言葉の様に感じられる。「大関から関脇に陥落した貴景勝九州場所では見事大関に返り咲き」一度失った地位に再び就くことの表現に使われる。夏に精彩を放っていた鶏頭が秋口には色あせて哀れな姿だったのが、ここにきて再び蘇った。「狂い咲き」と表現するのは心苦しい。

f:id:mikawakinta63:20191030144434j:plain
f:id:mikawakinta63:20191030144417j:plain

「わずか半日で1ヶ月分の雨が降る。今までに経験したことのないような強風が吹き荒れる。こうした状況の中で、これまでの治山治水事業の物差しの見直しが迫られている。全国各地で災害による避難所生活が常態化している中、いつまでも体育館での雨露しのぎだけのごろ寝状態でいいのか国会でも取り上げられている。

 刺されると最悪、死に至る南米原産で強い毒を持つヒアリの50匹以上の女王アリと多数の働きアリの集団が東京港の晴海ふ頭で見つかった。女王の登場で国内で定着する様相だ。

 スーパーの客数・販売額がサラリーマンの給料日より年金支給日の方が多くなった。3年先にはサラリーマンの医療・介護・年金を合わせた社会保険料率が給与の30%(労使合計)を超えるとの試算が示され、勤労世帯の消費に回す余裕は乏しくなっている。シニアが消費のけん引役に変わる日も遠くない。

 これらの事例は先週1週間のうちに報道された記事だ。共通項は「これまでとは次元の異なる事態が起きた、または起きようとしている」ことだ。令和の新時代とともに、じわじわと地殻変動が起きているような気がする。戦後日本が復興を果たし、高度成長を成し遂げて来た延長線上の物差しでは立ち行かない事態だ。政治のリーダーシップが待たれる。揚げ足とりの予算委員会はもうたくさんだ。