「人生100年時代」の国民


青空に風冷え、典型的な冬の一日。おととい14日のラジオ深夜便による誕生日の花は椿だった。一般的に椿といえば、「藪椿」を指すようだ。一重や八重があり、園芸種も多い。わが家の庭にも咲いている。各所で撮った色とりどりの椿を並べてみた。


「日本の2040年の就業者数は17年に比べて20%も減る可能性がある。働き手の減少に改めて危機感を持つ必要がある」きのう、各メディアが厚労省で出したこの推計を公表していた。経済がゼロ成長に近い状況が続き、女性らの労働参加が進まない場合という前提条件があってのことだ。



お国からのこの推計数字の公表は、「40年は遠い将来でない。まず、働き手を増やす取り組みを強化すべきで、高齢者や女性はもっと働け。企業は働きやすい環境を整えよ。そして、成長分野へ人材が柔軟に移れる流動性の高い労働市場の整備をせよ」と国民に対する尻叩きの感が拭えない。



♪村の渡しの 船頭さんは /ことし六十の」おじいさん /年はとっても お船をこぐ時は /元気一ぱい ろがしなる/ ソレ ギッチラ ギッチラ ギッチラコ



戦時色の強い1941年(昭和16年)のこの歌、人生50年時代に「六十のおじいさんですら、村のため、お国のために休む暇なく働いているのだから、君たちも早く立派な人間になって、お国のために尽くしなさい」というメッセージが込められている。この歌を思い出してしまった。



われわれは「団塊の世代」(1947〜49年生)が、2007年に60歳の定年を迎え大量の退職者が出るのを2007年問題として、定年延長等により対応してきた。2015年には団塊の世代が全て65歳以上の前期高齢者となり年金の全額が給付される年齢に達するという2015年問題も、メディアが大騒ぎすることもなくクリアしてきた。


人生100年時代」に向かっている国民はお国が思っているほどバカじゃない。国民は厚労省の外国人技能実習生の統計資料に始まり、今お騒がせ中の毎月勤労統計資料に至るまでの、統計資料の杜撰さを知っているだけに、今回の「就業者数の長期の推計」資料の信ぴょう性の方が大丈夫かと心配だ。