さまざまなこと思ひ出す桜かな

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退院後3週間後の主治医の検診では、容体安定しているとのことだった。もっと食べて、体力をつけることを強調された。あと3週間経過を観察して今後の方針を決めるとのことだ。先般の入院中に耳や喉の調子が思わしくないので、耳鼻科にも病床から通っていた。

 

耳鼻科の先生は喉を鍛えるトレーニングをするよう勧めてくれる。飲み込みがしにくくなると食べるのに時間がかかり、食べるのが億劫になったり食欲不振を招く。すると栄養不足になり脱水をおこす。さらに、身体のエネルギーが不足し,体力低下、免疫力低下につながる。と熱っぽく語る。

 

 両医師の卓越した知見や技術も、その守備範囲の中で活かされているだけで、総合力が機能していない気がする。組織横断的に「痛み診療科」の診療科目があるように、もう少し患者に寄り添った配慮があるといいと思った。

 
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入院していた病院は豊田厚生病院。旧海軍飛行場の滑走路跡にそびえ立っている。目と鼻の先にある愛知少年院は旧海軍の官舎・兵舎跡だ。昭和20年にここから神風特攻隊が3回飛び立ち、若い命が桜の如くはかなく散ったそうだ。樹齢70年以上の桜がおよそ300本。100本は豊田市の名木に指定されている。

 

毎年4月第一土曜に一般観桜会があるが、今年はおそらく中止だろう。写真は道路沿いのサクラ並木。病院の帰りに立ち寄った。

 

                                              さまざまなこと思ひ出す桜かな  芭蕉

 

クマさんはこんなことを思いながら桜をながめていたが、芭蕉さんはもっと高尚なことを思い巡らせていたのだろう。