ピンコロ族


50%の雨マークながら薄曇りの柔らかい日差しで穏やかな一日。毎日のウォーキングの道すがら、丘陵地の畑に20M位に渡って白い花がキラキラと輝きながら咲き乱れている。ダイコンの花のようにも見えるが時季外れだ。日曜とあっておじさんがいた。彼、曰く「ワシとしたことが、ダイコンの失敗作や。あんまり、聞かないでくれヨ。」野菜としての大根は失敗作でも、花としてはこの時季だけになかなかの価値がある。


きょう6月3日はわが誕生日。3人の娘夫婦と孫がレストランでの食事に招待してくれた。正月以来のファミリーの集合だ。先日の新聞に出ていた。健康な日常生活を送ることが可能な期間を示す「健康寿命」が男70.42歳、女73.62歳。「平均寿命」が男79.64歳、女86.39歳。こんな数字を見せつけられると、あくまでも統計資料だと分かっていてもせっかくの誕生祝も虚しくなる。「もう、健康寿命は尽きてしまったか」と。カミさん曰く「あの畑のダイコンの花のように本来の時季を過ぎても立派に光り輝くことができるヨ。平均寿命までピンピンしてコロリと行きましょう。健康寿命=平均寿命ネ。」



  
トルコの農村部の男性はきっとピンコロ族(部族の名前ではない 。ピンピン・コロリのこと)が多いのではと推測する。なにせ、畑仕事は女性任せ。朝からオープンカフェでチャイを飲むことか、散髪屋通い。まことに結構な生活をしている。彼らはきっと「アラーの神の思し召し」というだろう。さすが、モダンイスラム国家だ。


旅行3日目の宿泊地カッパドキアのカイマクル。なだらかな山に囲まれた田舎町。幹線道路から一歩入れば砂利道で廃墟と化した石造りの家が立ち並び野良犬が数匹群れをなしているような地だ。早朝ホテルの周囲を15分ほど散歩しただけで、4軒の床屋があった。