ニゲラの半生から思うこと


いつの間にか、新聞やテレビの天気図に”梅雨前線”という文字が踊る季節になった。おまけに台風まで来るのではないか。おかげで、朝から厚い雲に覆われ今にも降り出しそうな一日。トルコから帰国したとき、庭の花壇でニゲラが満開で目を引いた。カミさん好みの薄いブルーの花に糸のような葉だ。けさあたりはもう盛りが過ぎたが、めずらしい光景に出会った。同じ株にまだ花が咲いている茎、花が終わり実が出来つつある茎、実がおおきくなった茎、実が色づいている茎とニゲラの半生が一目で観察できるのではないか。植物の世界では珍しいことでもないかもしれないが、初めて見つけたおじさんにとっては大発見だ。



 
世の中が複雑化してくると、分業化・専業化されるのは仕方あるまい。野球の世界でも先発・完投型の投手は少なくなった。先発・中継ぎ・セットアッパー・クローザーと分業化されてしまった。オールド野球ファンは先発・完投投手にこそ投球術の神髄があるというだろう。ニゲラの半生を見たとき、あの株は先発・完投型だと思った。




  
             イスタンブール ブルーモスク

分業化・専業化することには功罪がともなう。関越自動車道で起きた陸援隊のツアーバス事故が4月29日だっただけに貸切バス自由化に伴う弊害の方が心配だった。名古屋〜関空間のバスのチャーター主は旅行社か航空会社か?チャーター先のバス会社は聞いたこともないようなものでないか?旅立つ前にはそんなことも考えたが、出発したらそんなことも吹っ飛んでしまった。現地の旅行社やバス会社のことまで考えたらキリがない。旅行にしろ保険にしろ約款を一字一句読まなければならないなら旅行なんか行くもんか。ものごとなるようにしかならないのだ。


 いずれにせよ、自由化をするときには予想される弊害を事前につぶしてから行わないと自由化と規制のいたちごっこになってしまうのではないだろうか。