美貌と知性に惚れ込んでみたが・・・・・・


今回の旅行で良きにつけ、悪しきにつけ一番印象深いのはストックホルムだ。一番最後に訪れた都市で記憶に新しいということを抜きにしてもだ。「北欧のヴェネツィア」ともいわれ、水の上に昔ながらの中世の建物が浮いて建ち並んでいるような非常に美しい都市だ。人口約75万人で北欧最大の都市。



北国の冬の訪れは早く、10月も初旬と云うのにコートにブーツ姿の女性がなんと多いことか。そして、ストックホルム市庁舎の壁一面のツタの真っ赤な紅葉が他の都市では決して見られない光景で印象深い。


この市庁舎の中にノーベル賞受賞記念晩餐会が開かれるホールがあり、英語ガイド付きで見学ツアーがある。スタート時間までに1時間もあったので断念した。翌日にノーベル物理学賞の発表がストックホルムであった。帰国した日の夜だった。名古屋ゆかりの学者が受賞されるのなら、1時間待っても見学しておくべきだった。悔やまれる。



北欧といえば福祉の代名詞のようなものだ。その代りに物価が高い。欧州各都市でミネラルウォーターはどこも1本1ユーロ、140〜150円だ。ストックホルムでは14クローナ、250円。軽く昼飯といっても1000円以下では困難だ。この辺のことまではメンバー皆承知していた。


驚いたことが二つ。コペンハーゲンからの列車内で自分がバッグの盗難に遭い、ストックホルム中央駅に降り立ちタクシーでホテルまで約6000円。フロントで尋ねると普段はその半分以下とのこと。早朝ウォーキングで駅まで歩いたら10分位の距離だった。外国人だから、わざと遠回りしてボラれたのだ。



いまひとつ驚いたこと。街の中、とりわけ中央駅周辺に何と物乞いの多いことか。路上生活者と思われる集団も見られる。これが福祉大国の実情かと愕然とした。察するに、福祉の一環として移民を受け入れることまで寛容な国になった結果ではないだろうか?
 

来月の生涯学習講座で2回にわたりスェーデンの講座があるので、講師にそのあたりを聞いてみようと思う。美貌(美しい景観)と知性(福祉)にぞっこん惚れ込んだ彼女(スェーデン)もたった1回のデートで馬脚が見え隠れして並の女と五十歩百歩に思えてきた。