メンツがもたらしたAPECブルー


今シーズン一番の冷え込みをけさもまた更新したようだ。日が昇って澄み切った青空の美しいこと。庭の白いバラとその空の青さのコントラスト、どう表現したらいいのか言葉の持ち合わせがない。


近所のお宅の庭で3m以上もあるような木立ダリア、別名皇帝ダリアがこの空にそびえて立つ姿は圧巻だ。ウォーキングのメンバーからこの美しい空と北京のAPECブルーとの比較に話が弾む。あちらは人工の青空、こちらは自然の青空などと。



先般北京で開かれたアジア太平洋経済協力APEC)首脳会議に出席した客人たちに青空を見せるために北京の住民たちには、生活におけるさまざまな場面で、制約や厳しい禁止事項が課せられたようだ。その成果であるAPECブルーの青空が盛んにテレビに映し出された。具体的にどんなことがなされたかネットで調べてみた。


1.車のナンバープレート末尾番号による車の規制  2.政府機関、民間企業従業員の休暇義務付け  3.学校1週間休校  4.公共医療機関、救急を除いて休業。  5.花火、爆竹の禁止  など。かくして、APEC終了とともにAPECブルーは煙の彼方に消えて北京の空は再び危険レベルになっているという。


ここは、善意に解釈しておこう。メンツを重んじる国民性の中国。中国共産党の威信にかけて遠来の客人をもてなすための苦肉の策でAPECブルーを演出したのだろう。                                       


数年前広州でアジア大会が開かれる直前に広州へ行った。高速道路沿いのアパートの壁がきれいに化粧が施されている。ガイド曰く。「アジア大会に来るお客様に汚れたアパートを見せることは、中国のメンツが許さない。そこで、高速道路から見える部分だけ化粧をしている。後ろに回れば、元の汚れたままです」


メンツがもたらしたAPECブルー。それは国民性としても、「PM2.5]が海を渡って飛んでくる国のことも考えてもらわねば・・・。自分さえよければというケチな国民性は米国と並んで太平洋を支配しようとする大国らしくないですぞ。