監視社会


大型連休も明け、企業城下町にも日常が戻った。早朝からの車の往来の激しさがそれを物語っている。先月末ころからお隣さんの庭でも、ウチでもバラが賑やかになってきた。さすが「花の女王」だけあって、どことなく気品が漂っている。


けさのこと。思わぬ珍客の訪問があった。玄関のドアに米粒より小さいが鮮やかな黄色い斑点がひとつ。よくよく見るとテントウムシのようだ。ネットで調べるとキイロテントウだ。体長5mmほど、実に愛嬌のある顔をしている。


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多くのテントウムシは、アブラムシやカイガラムシなどを食べる肉食であるが、キイロテントウは植物の葉に寄生するうどんこ病の菌などを食べる食性があり、益虫であるとされているそうだ。



豊田に住んでいたころの隣の家のお嬢さん、両親が共働きだったのでウチの娘達同然に育って米国人と結婚し米国籍も取った。5歳と1歳の子どもを連れて久しぶりの里帰り。先週帰国した。帰国前に我が家にも来た。その時の話。


米国(フロリダ州在住)では子どもを一人だけにすることは法律で禁じられているそうだ。そして、通報制度があって子どもを一人だけにしていると通報され罰せられるそうだ。彼女、ガソリンスタンドがプリペイド式のセルフなので子どもを車に乗せたままスタンドの事務所にプリペイドカードを買いに行っていたら通報されたと嘆いていた。地域社会が住民を見張りあう相互監視体制、どこかの独裁国家を彷彿させる。




そうはいっても、わが国でもいたるところに監視カメラがあって自分の知らないうちに記録をとられている。駅で、コンビニで、銀行のATMで。監視カメラは犯罪者だけを監視しているわけではない。何の許可もなく善人、悪人の区別もなく老若男女の一挙手一投足までこっそり監視され記録されている。


たった一人の悪人のために何百万、何千万の人間の人権を無視するようなことをしなければならないかと思う反面、相互監視体制や監視カメラは犯罪抑止のための必要悪と割り切らなければならないのかとも思える。これ以上難しいことはわかりまへん。