ワンダフルワールド展


寒い朝だ。本格的な真冬の天気になったという感じだ。こんな日にはウォーキングを休みたい。夫婦2人だけならまちがいなく休んでいるだろうが、御近所さんと一緒ともなると、なかなかそんな訳にもいかない。その上、朝一に長女から48回目の結婚記念日おめでとうのメールが届き、メールに背中を押されてウォーキングに出かけたけさのクマさんだ。


旅に出るのは、非日常を味わいたいからなどとよく語られる。結局のところはそれに尽きると思う。旅に出る前にプランを練ったり、想像をふくらませたり・・・。旅に出て、見るもの・聞くもの・味わうもの・出会う人に感動したり、落胆したり・・・。旅から帰り、写真を整理し、旅行記を書く。一粒で3度も美味しい、どこかのチョコレートのようなものだ。



旅行後何年も経ってからでも、一流の画家たちがその土地ならではの自然や人、街並みに向き合って描いた作品が伝えてくれるもの感じ取りながら旅を思い起こすのもまた楽しいものだ。そして、自分の撮った写真のアングルが画家の描いた作品と似ているとまた、うれしくなる。



先日名古屋ボストン美術館ヴェネツィア展で見たヴェネツィアのイメージを世界に決定づけたと云われる風景画家のカナレット作「サンマルコ沖に望む」という風景画のアングルが自分が撮った写真と同じアングルで嬉しくなったのも、そのうちのひとつだ。


そんなわけで、きょうは豊田・鞍ヶ池アートサロンで開かれている「ワンダフル ワールド」を麻雀仲間の御近所さんと見に行ってきた。この企画展は内外の画家たちにより描かれた世界各地の情景22作品が展示されている。純粋な風景画はその内の半分くらいだ。



一番上の作品「初夏のアムステルダム」は運河に停泊する船、盛んに枝葉を伸ばす木々、それらを映す水面。それぞれにふりそそぐ初夏の陽光を巧みに描いている。二番目の写真は去年の9月初旬。鮮やかな色の建物に惹かれた。


左の作品「ユングフラウ」はアルプスを代表するスイスの名峰。澄み渡る空、万年雪と氷河がかもす冷涼感がすごい。力強さが感じ取れる。写真は2010年4月下旬。絵画と写真の季節が異なるがアングルはほぼ同じになる。





以上のほかに写真が撮ってある街としてはストックホルムや北京も風景画が展示されていた。あまり非日常ばかりを楽しんでいては、現実ばなれした”宇宙人”になってしまう。この辺で現実の世界に戻ることにしよう。