知らない人に挨拶されたら逃げろ


先週からきのうあたりまで、日差したっぷりの日が続き、本格的に昼夜の寒暖差がでて、日曜の夜の雨で適度の水分を吸収するなど、紅葉や黄葉や褐葉の必要条件が整ったではないだろうか。四つ池周辺の木々の色付きが”らしく”なってきた。



地域の防犯ボランティアをしている関係で、啓発紙などで「ゴミの散らかってない街にしましょう、近所つきあいも大切にし、見慣れない人には挨拶するようにしましょう」などと訴えている。折しも、「敷地内で挨拶を禁ず」「知らない人に挨拶されたら逃げるように教えているので」神戸のマンションでの取決めが、地元紙への投書を機に話題を呼んでいる。


「挨拶しなさい」ではなく「逃げなさい」か?各家庭が「隣は何をする人ぞ」で時代を冷ややかに映しているといえよう。大人たちが沈黙で応じるのは考え物だと思う。子どもは家庭と学校で育つとでも思っているのだろうか。このマンションの人達の頭から「地域社会」ということが抜け落ちているのではないだろうか。


地域社会で交流することで、子どもの世間が広がり人を見る目ができる。人と交流しなければ人を見る目も育たない。そして、大人が自ら挨拶して子どもにその姿を見せるのだ。わが地域の例でいえば、田植、稲刈り、収穫祭餅つき大会、夏祭り、オータムフェスタ、ウォークラリーなど地域社会で交流できるイベントがある。



それでも、挨拶をきっかけとする不審者に不安をもつ保護者もいるだろう。挨拶に続く甘い言葉や、「親が急病」といったウソに注意するよう日頃から教えるのが家庭の役割だろう。そして、保護者は地域で挨拶をすれば、子どもは幼くてもその相手が安心な人であると識別できるようになって行くものだ。


とにかく、「逃げる」ことを教えるより「挨拶する」ことを教えるべきだ。挨拶は社会への扉を開く初めの一歩。大人はたとえ子どもからの挨拶が返って来なくても挨拶を続けるべきだと思う。