しけ寒


朝から雨。今週は火曜日にも降った。季節の変わり目ごとの長雨だろう。一雨ごとに冬が近づいている感じだ。そういわれてみれば、春と夏の間には「梅雨」がある。夏と秋の間は何と云うか?「秋雨前線」がある。今、降っている秋と冬の間の長雨は「山茶花梅雨」だ。そして、冬と春の間の長雨は「菜種梅雨」だ。



あすの日曜、家庭菜園の収穫祭。当番幹事で天気が心配。新聞の天気予報欄を見る。きょうは「昼ごろまで雨、しけ寒の一日に」とあった。この「しけ寒」とはいったいなんぞや?ネットで調べたら、こんな説明があった。寒さには3つ種類がある。きょうみたいな冷たい雨が降って湿気が多い寒さを「湿気寒(しけざむ)」という。
                                                 
木枯らしなど、風が強い時に実際の気温以上に寒く感じることを「風冷え」。穏やかに晴れた日の朝に足元からキーンと冷える「底冷え」という。太平洋側の冬は乾燥した晴天が続くことが多いので、湿気寒より、風冷えや底冷えが多くなる。へぇ、そうだったのか。きょうみたいな時の雨を「氷雨」というだろうな。



午前中の氷雨も昼過ぎには上がった。空が明るく感じられるようになったら、先だってまでグリーンそのものだった庭の八朔がしけ寒に影響されてか、急に黄色く、みかん色に見えてきた。ソフトボールより一回りも大きい八朔を手にとって見ようと、庭に下りればそぞろ寒さが身にしみる秋の夕暮。


四季折々に移ろう花鳥風月の様子や気象の変化に敏感な日本人の感性が生み出した「しけ寒」「そぞろ寒さ」「山茶花梅雨」など、噛みしめれば噛みしめるほど、味わい深いものがある。