スポーツ界パワハラと日本(株)組織


台風21号が去った6日以来今日で6日間雨がらみの天気が続く。しつこい秋雨前線だ。一晩中、掛け布団をはがすこともなくきちんと掛けて寝たのは久しぶりのけさの目覚め。それもそうだ。先だっての土曜8日は二十四節気の「白露」、 日中はまだ暑さが残るが、朝夕の涼しさの中に肌寒さも感じ始める本格的な秋の到来を感じさせる頃だ。


三好丘の丘陵の土手ではムラサキシキブが色鮮やかだ。紫色の実の清楚な美しさを、平安美女の「紫式部」にたとえた説。また、紫色の実をびっしりつけることから「紫重実、紫敷き実(むらさきしきみ)」と呼ばれていたものが、いつのころからか紫式部を連想させて「紫式部」となっていった、との説もあるそうだ。熊葛(くまつづら)科ムラサキシキブ



きのうのニュースで日本体操協会が今般のパワハラ問題で塚原副会長夫妻の一時職務停止処分を決めたことを伝えていた。考えてみれば、今年に入ってアマスポーツ界ではパワハラ問題の連鎖が起きている。3月女子レスリング栄、5月日大アメフト内田、7月アマボクシング山根、9月女子体操塚原夫妻と1ヶ月おきに問題が発生している。


テレビのワイドショーでは「ドン叩き」は視聴率稼ぎにはおいしいネタだろう。それも隔月に出て来る。しかし、良く考えれば、組織の内部崩壊はアマスポーツ界だけに限った問題でもないのではないだろうか。企業にもいえる。スルガ銀行神戸製鋼や日産のデータ改ざん問題。政界、官界にもいえる。公文書改ざん、障がい者水増し雇用、内閣への忖度。日本国株式会社全体の問題のように思える。




無風状態こそ、安泰で何もしない現状第一主義で国全体が大きく動き出さないよう全員で押さえている。そんな感じがする。政府自体が現状維持ムード、その日暮らしの同調心理を育てているのではないだろうか。政界、官界をはじめとしてスポーツ団体から企業社会まで組織は合理性も精神性も失い、それぞれが表からは見えない「奥の院」を抱え、内部で密かに一部の人々が権力をたらいまわしにしている。


日本国株式会社の中での「ドン叩き」は内部告発などによってたまたま露出した氷山の一角。国有地売却に関する公文書改ざんや障がい者水増し雇用が「奥の院」で行われ「こんなことまでやっていたか」と驚くことが何と多いことか。国のトップリーダーが「正直」「公正」を貫くことが、日本株式会社の組織全体を現状第一主義から脱皮する原動力になるのではないだろうか。