異文化探検 中国・上海 その鄴

           ◆ 南船北馬

中国では「南船北馬」といって、南は川が多いので船で、北は平原や山がちなので馬で旅行すると言われて来た。
今も、長江や運河が交通の大動脈といわれているようだ。
上海の近郊、明の時代にできた古い水郷の町での運河めぐりも観光スポットになっている。10数年前に訪れた蘇州でもこんなような風景があった。

    


町なかの交通事情も10数年前と比べ随分変わった。変わらないのは「歩行者優先でもない、車優先でもない、勇気優先」の交通ルールだ。
前回訪れた時、あさ暗いうちからおびただしい数の自転車による通勤風景に驚かされた。今では、バイクがかなり増えた。
ガイドさんによれば、マイカーは未だに庶民には高嶺の花のようだ。


地下鉄が発達したせいか、前回訪問時のような夜でも車内灯をつけない満員バスやトロリーバスはまったく見かけなかった。 バスは立っている客もほとんどなく、夜の車内はどのバスも明るかった。
バスのバックミラーがどのバスも牛かサイの角のようなものだ。

                               


以前は、バスの数よりトロリーバスの数の方がずっと多かったような記憶だが、今回は一度だけちらっと見た。
終戦直後、名古屋でも走っていた記憶があるが今日本では確か、立山黒部アルペンルートだけのはずだ。


上海ご自慢のテレビ塔の上から街を眺めても、スモッグで街がかすんでしまっているくらいならバスに代わって排気ガスの出ないトロリーバスをどんどん増やして行けばいいのにと思った。一党独裁支配の国家だから簡単にできそうだと思うが。