合理化のツケ

夕方のこと。ある商品のセールスの電話が女性の声であった。この近くを回っているので、カタログを置いてゆく。
門の前で直接受け取って欲しいとのこと。 その時に家にいたら受け取りますと返事をした。


15分後くらいに男性がカタログを持ってやって来た。係りの者からぜひ説明を聞きたいお客さんがあるからと連絡が入ったのでやってきました。とその男性は言う。 話が違うのでカタログだけ置いて帰ってもらった。


どうも、この商品(一流メーカー)の販売会社が「客のところへ電話をかけまくり客をキャッチする役」「キャッチした客にセールスをかける役」を外部委託しているようだ。


世の中の仕組みが複雑化、専門化してくると「餅は餅屋」に外部委託した方が、あるいは誰でも出来るような作業は人件費の安いところへ外部委託した方がより合理的で今や外部委託が隆盛を極めている。
この外部委託というシステム、諸刃の剣で合理的である反面使い方を間違うと大きな落とし穴となる。


渋谷の温浴施設の爆発然り、松坂屋ストアーの顧客情報漏えい然り。今夕のセールス電話の女性とどれも「根」は同じだ。
末端では、仕事や商品に対する自分の使命感、責任感のかけらもなく、ただ「自分さえ良ければ」の塊のようなものだ。


日本型の血の通った経営が合理化至上主義のアメリカ流になったツケが渋谷の惨事であり情報漏えいであるといっても過言ではない。 セールスの女性に騙されたくらいで済んでよかったとしよう。



         農家の庭ではじめて見た花・・・アガバンサス(ムラサキクンシラン