お客様のため

mikawakinta632008-02-22

もう春が来たと感じさせられるような暖かい一日。この暖かさに誘われたのか、それともボケたのか、はたまた余程エサに不自由しているのか庭に鳩が迷い込んできた。


けさの新聞の社会面にこんな記事が載っていた。「全国で約1000店舗をもつある家電量販店チェーンは東芝が次世代 DVD規格「HD DVD」事業から撤退したのを受けて、これまでにグループの店舗で東芝製のこの機器を購入した人を対象に、ソニー製の次世代DVD規格品に交換すると発表した。」


きょう配信されたメルマガ、一読者からの投稿だった。

私たちの地域では、暖房器具用の灯油を、毎週、タンク車で配達に来てくれます。    玄関先にポリタンクを置いておくと、灯油を入れておいてくれるのです。我が家では、毎週の配達日に家人が留守をしているため、代金を封筒の中に入れて空のポリタンクと一緒に置いておくようにしていました。


ある年の冬のことです。偶然に、灯油の値段が上がっていたことを知りました。それも、ずいぶん以前かららしいのです。
ざっと見積もっても、累計で数千円が不足していました。そこで、代金を入れた封筒の中に、「金額が変更していたことを知らずすみません。不足分の代金をお支払いしたいので教えてください」と一筆書いて入れておきました。


帰宅して封筒の中を見ると、こんなメモが入っていました。「ずっとお世話になっていますから、これまでの分は結構です。」と。
狭い住宅道路で灯油販売のおじさんのタンク車と自転車ですれ違ったときに、「どーぞ、どーぞ、すみません」と優しく言って、車をバックさせてくれたおじさんの顔が目に浮かびました。寒い冬に、灯油が心の中まで暖めてくれました。



さまざまな事件にまで発展している企業の偽装問題は「お客様のため」と言うごく基本的なことが見失われた結果のような気がする。新聞記事の家電量販店やメルマガ記事の灯油販売のおじさんのように「お客様のため」を思う「あきんどの道」を心得た人たちがいることで多少救われた気がした。