あのね・・・

mikawakinta632008-03-11

本格的な”三人の日”が来た感じ。三人とは誰のことか知らんが「春」が来た。
今年になって始めてコートなしで散歩ができた。遊歩道沿いのボケ、葉が出るより先に花が咲き始めた。
わが庭のボケ、まだ蕾が固い。主が「ボケてたまるか」と言っているので、相当遠慮しているようだ。


きのう配信されたメルマガの投稿ちょいといい話「あのね・・・」


地下鉄に乗った時のことです。途中の駅で、年配の女性四人組が乗り込んで来ました。あいにくシートは満席。席を詰めれば、一人か二人は座れそうでした。でも、誰も動こうとはしませんでした。私の右隣の会社員は文庫本を読んでいました。左隣の学生はケータイのゲームに夢中。真向かいに座っている母親と小学校三年生くらいの少年は、「あのね・・・」という感じで、何やらひそひそ話をしていました。



私は迷っていたのです。席を譲ろうかどうしようかと。四人とも、お年寄りと呼ぶには少しばかり若く見えました。
「どうぞこちらへ」と言うのも失礼な気がしたのです。



その時です。真向かいの母親と少年が立ち上がり、母親は四人組の女性に向かって、「どうぞ掛けて下さい」と言って手招きしました。次の瞬間でした。その隣でうつむいて座っていた青年二人も席を立ちました。それはまるで、連鎖反応のように周りに伝染して。四人は、「ありがとう」を繰り返し、全員が座ることができたのでした。私も、この母親と少年にお礼が言いたくなってしまいました。自分の不甲斐なさを棚に上げて。次の駅に着く前に、母子に駆け寄って、「素晴らしいですね」と声をかけました。



すると、母親は答えました。「いいえ、実はこの子が席を譲ろうか、と相談してきたものですから」合点がいきました。
「あのね・・・」と、ひそひそ話をお母さんの耳元でしていたのは、その相談だったのです。改めて、赤面しました。
私の胸ほどの身長しかない少年の姿が、やけに大きく見えました。
    *    *    *    *    *

若い頃の体験では、「どうぞ」と譲る気はあっても断られた時のバツの悪さを考えるとなかなか勇気が出なくて、結局寝たふりをしていることが多かった。
どちらかといえば譲られる立場になった今、せっかく勇気を出して譲ってくれる人の好意を無にしてはいけないと、素直に譲ってもらうことにしている。
しかし、譲ってもらったことは1度くらいしかない。若く見られているからか?