猿投の桃

日はまぶしく、風は穏やか、のどかな春の日だ。同じ春の中でも桜の咲く頃を「花時」というそうだ。確かに、見渡す周囲は百花繚乱の様子だ。リビングからみる花壇も賑やかになった。ライラックの白い花も咲きはじめた。


のどかな春の日の午後、猿投山山麓の桃源の里を訪ねた。小高い丘にある桃の花見台から見渡すと周囲360度ピンクの桃畑が広がっている。猿投北交流館でいただいたチラシによると、55戸の農家が49千アールで桃を栽培しているそうだ。
この美しい花を眺めていると、この花と食べる桃がどうしても同じものだということに結びつかない。つまり、観賞用の桃の花と食用の桃とは別物に思えてならない。


きのうのテレビのニュースで農家の方が人工受粉作業をしているところが映しだされていた。農家の方はこの作業に、消毒作業、摘果(実を間引きする)作業など大変な重労働だろう。我々は、美しい花を眺めて喜んでいるだけで申し訳ないような気がする。交流館でいただいたチラシに、「大事な畑です。中に入らないでね」と大きく書いてある。最低限、このことくらいは協力しなければ・・・。