Y君の思い出

春本番の陽気。庭に咲く白い花がやけに眩しい。それだけ陽射しが強くなったということか。

 

 
       ライラック            スズラン


● 学生時代の友人Y君が亡くなった。彼は都会的な洗練されたところがあった。半世紀以上も前の彼の言った言葉が未だに忘れられない。ある駅で待ち合わせをして30分近くも彼を待たせてしまった。彼に遅刻を詫びると「気にするなよ。待っている方より、待たせている方がつらいンだから」と待たせた自分に気遣ってくれた。このセリフが彼だからキザにならない。学生時代からジェントルマンだった。