チェック機能


日中は薄雲が広がる程度で穏やかな天気。朝晩は立冬が過ぎただけにかなり冷え込んだ。丘陵地の土手ではムラサキシキブの紫の実が色鮮やかだ。


現役時代のこと、「監査役室」から呼び出しがあると誰しも「またか、うっとおしい」と思った。監査役の立場は企業におけるお目付け役でそれほど煙たい存在であった。それでこそ、監査役の職務が機能していたのだ。公認会計士の監査にしても、こちら監査を受ける会社の方が客であるから彼らの物腰は大変柔らかい。しかし、肝心なところでは一線を画していた。そんな印象だ。


今回のオリンパス光学の事件にしても大王製紙の使い込み事件にしても、サラリーマン役員と同族経営の違いはあるものの、社外重役、監査役、会計監査といったチェック機能が全く働いていなかったという共通項がある。オリンパスは英国人社長のチェックが機能して不正経理が表に出た。なんと情けないことか。一経営者の出世・保身のためにしでかしたことがグローバルな企業だけに国際社会に与えるインパクトは大きい。がんばれ、日本。