ひな祭り

mikawakinta632012-03-03

すっきりと晴れ渡った青空。風が強い。だが、つい先だってまでの肌を刺すような風とは趣が違う。厚着してウォーキングしている身にはむしろ心地よい風だ。田んぼ道の上空ではケリのあの独特のカン高い鳴き声がけたたましい。時折、ひばりが忙しくさえずっていてもかき消されるほどの賑やかさだ。




上空の春模様に気をとられていると、足元の草むらでは春の訪れを告げるかのようにオオイヌノフグリがうすい青紫色の可愛い花を咲かせ始めた。まだまだ、じゅうたんを敷き詰めたように一面に咲いているといった状態ではないが、そうなる日も間近いだろう。今朝の田んぼ道は上も下も春景色だ。



きょう3月3日はひな祭り。3人の娘も嫁いで10年以上経ちお雛様には縁遠くなった。去年あたりまではカミさんが帯地で作ったお雛様2体を飾っていたが今年は飾ってない。忘れているだろう。きょうの読売新聞のコラム欄にこんな詩が載っていた。


詩人吉野弘の『一枚の写真』。雛(ひな)飾りの前で、幼い姉妹がおめかしをして座っている。            

 この写真のシャッターを押したのは  多分、お父さまだが                           
 お父さまの指に指を重ねて   同時にシャッターを押したものがいる  その名は「幸福」            

きょうも、どこかの屋根の下で“かけがえのない記録”が生まれることだろう。指に指を重ねてくれる者のありがたさが身にしみるに違いない。  それにひきかえ、現役時代、女房子供は放ったらかしの自分。この詩は身につまされる。