消え行くもの

  終日雨。春先にありがちな冷たい雨ではなく、きょうは暖かい雨だ。まるで暖かさを運んでくる使者のような雨だ。この暖かさに庭のヒヤシンス(飛信子)も雨の中、頭をもたげてきた。香が風に運ばれるさまを表して飛信子と書くようだが、今日の雨では香どころではなさそうだ。


暖かさをは運んでくる使者も同時に、その後ろから寒気を連れて来ると言われる。暖かくなったと思った翌日は、真冬の寒さに・・・。なんてことはないだろうなぁ。「暑さ寒さも彼岸まで」きょうは彼岸の入りだから。


大阪赴任中車の中に入れて使っていた道路地図「アトラスRD近畿」、今ウチの書棚でホコリをかぶっている。この地図の出版元アルプス社はこのたび道路地図の販売をやめたと何かに出ていた。考えてみれば、いまどき道路地図片手にドライブする人なんて化石みたいな存在だ。それほどカーナビが普及した。時代の流れだ。


いっきに時代の流れが変わったものといえばテレビだろう。みなデジタル放送でテレビを見ている。テレビに関して言えば、ウチは化石的存在だ。1台だけはデジタルであとの3台はアナログで見ている。ひまわりネットワークが2015年3月まではデジタルをアナログに変換しているので昔のままのテレビを使っている。


道路地図本、電話帳、アナログ放送に続いて消え行くものは? 鉄道時刻表か?時刻も、乗り継ぎも運賃も答え一発ネットで出てしまう。しかし、鉄ちゃん、このマニアの存在は大きい。鉄道時刻表の出版をやめたら存続運動が起きるかもしれない。案外しぶとく出版は続くのではないだろうか。鉄道ダイヤをモチーフにした古典的名作「点と線」の作者松本清張も草葉の陰から応援してくれるだろう。